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この素晴らしい世界に文明の鉄槌を! -PUNISHMENT BY SHOVEL ON THIS WONDERFUL WORLD!-
八丁
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カァーン! カァーン! カァーン!カァーン!

朝早くから鎚と金床の音が響く。

「…………………ふぅ」

「頑張ってくださいパパ!」

「おう」

フェイベルが生まれてはや二年。

にゃんにゃんは家の裏に作った作業場で鍛冶をしていた。

叩いているのは、赤く光る大人の掌大の金属片。

「くっそ…! 硬すぎんだろこれぇ!」

その金属片は、鱗のような形をしている。

「ふふん。もっと誉めてもいいんですよパパ?」

そう。それは龍体のフェイベルから剥がれた鱗だ。

作業場の炉の中では生え代わりで抜け落ちた鱗が熱されている。

現在にゃんにゃんは鱗をインゴットにするために叩いている。

「フェイベル。本当に刀でいいんだな?」

「はい! パパの言うカタナ・ブレードを使ってみたいです!」

「まぁいいけどさ…。この素材なら易々と折れないだろうし」

にゃんにゃんは叩く手を止めると、鱗を再び炉に放り込んだ。

「クリエイト・コロナタイトシャベル」

グローブを着けた手の、指の間三本に赤熱する小さいシャベルが生まれた。

にゃんにゃんはそれを炉に入れる。

「もうちょう追加しとくか…」

そのあと同様にして六本、計九本のコロナタイトを炉に入れた。

室温が一気に上がる。

「パパ!、火を見てていいですか?」

「まぁ…いいけど…」

にゃんにゃんは炉の前から退くと、そこに服を脱いだフェイベルが横たわる。

「はふぅ…」

「すげぇなお前。そこの温度2500はあるぞ」

「パパも平気なのでは?」

「俺はスキルと魔力量でなんとか持ってるだけさ」

それはフェイベルの刀を作るのが進まない原因でもあった。

「そうなのですか?」

「まぁ…その鱗を持ってるお前なら大丈夫か……なんせ7000度の高温でも変化しないからな…間違って蒸し焼きになるなよ?」

「大丈夫ですよ」

そういうとフェイベルは片手を炉に入れた。

「ほら、大丈夫です」

炉からぬかれた白く細い幼女の手は何も変わらずそこにあった。

「俺の心臓に悪いからやめれ」

「はーい」

にゃんにゃんは作業場から出て、居間の行くとバタリと倒れた。

「うぁー………」

「あらにゃーちゃん。フェイベルは?」

そう言いながらリーアがにゃんにゃんに水を渡す。

体を少し起こして受け取った水を飲むと、また倒れこんだ。

「また炉の前で寝てる」

「裸で?」

「こないだ服が燃えただろ…」

「そうよねぇ…」

「少し休憩したらもどるわ…」

「大丈夫なの?」

「コロナタイト九個だぞ。これで加工出来なけりゃ里ではどうにもなら
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