暁 〜小説投稿サイト〜
この素晴らしい世界に文明の鉄槌を! -PUNISHMENT BY SHOVEL ON THIS WONDERFUL WORLD!-
八丁
[1/2]
[8]
前話
[1]
次
最後
[2]
次話
カァーン! カァーン! カァーン!カァーン!
朝早くから鎚と金床の音が響く。
「…………………ふぅ」
「頑張ってくださいパパ!」
「おう」
フェイベルが生まれてはや二年。
にゃんにゃんは家の裏に作った作業場で鍛冶をしていた。
叩いているのは、赤く光る大人の掌大の金属片。
「くっそ…! 硬すぎんだろこれぇ!」
その金属片は、鱗のような形をしている。
「ふふん。もっと誉めてもいいんですよパパ?」
そう。それは龍体のフェイベルから剥がれた鱗だ。
作業場の炉の中では生え代わりで抜け落ちた鱗が熱されている。
現在にゃんにゃんは鱗をインゴットにするために叩いている。
「フェイベル。本当に刀でいいんだな?」
「はい! パパの言うカタナ・ブレードを使ってみたいです!」
「まぁいいけどさ…。この素材なら易々と折れないだろうし」
にゃんにゃんは叩く手を止めると、鱗を再び炉に放り込んだ。
「クリエイト・コロナタイトシャベル」
グローブを着けた手の、指の間三本に赤熱する小さいシャベルが生まれた。
にゃんにゃんはそれを炉に入れる。
「もうちょう追加しとくか…」
そのあと同様にして六本、計九本のコロナタイトを炉に入れた。
室温が一気に上がる。
「パパ!、火を見てていいですか?」
「まぁ…いいけど…」
にゃんにゃんは炉の前から退くと、そこに服を脱いだフェイベルが横たわる。
「はふぅ…」
「すげぇなお前。そこの温度2500はあるぞ」
「パパも平気なのでは?」
「俺はスキルと魔力量でなんとか持ってるだけさ」
それはフェイベルの刀を作るのが進まない原因でもあった。
「そうなのですか?」
「まぁ…その鱗を持ってるお前なら大丈夫か……なんせ7000度の高温でも変化しないからな…間違って蒸し焼きになるなよ?」
「大丈夫ですよ」
そういうとフェイベルは片手を炉に入れた。
「ほら、大丈夫です」
炉からぬかれた白く細い幼女の手は何も変わらずそこにあった。
「俺の心臓に悪いからやめれ」
「はーい」
にゃんにゃんは作業場から出て、居間の行くとバタリと倒れた。
「うぁー………」
「あらにゃーちゃん。フェイベルは?」
そう言いながらリーアがにゃんにゃんに水を渡す。
体を少し起こして受け取った水を飲むと、また倒れこんだ。
「また炉の前で寝てる」
「裸で?」
「こないだ服が燃えただろ…」
「そうよねぇ…」
「少し休憩したらもどるわ…」
「大丈夫なの?」
「コロナタイト九個だぞ。これで加工出来なけりゃ里ではどうにもなら
[8]
前話
[1]
次
最後
[2]
次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]
違反報告を行う
[6]
しおりを挿む
しおりを解除
[7]
小説案内ページ
[0]
目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約
/
プライバシーポリシー
利用マニュアル
/
ヘルプ
/
ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ