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【ユア・ブラッド・マイン】〜凍てついた夏の記憶〜
春の霜4
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なぜか優越感を感じた瞬間だった。





 部活動については、特組であっても特に制限はされていない。

 古芥子姉妹は以前からチア部にいたらしく、この学校でもチア部に入部していると言っていた。

 朧は剣術を嗜んでいるといったが、剣道部ではないらしい。というか個人で敷地内に剣術練習のための建物を天掛家出資で作っており、そこで茶道や弓道、裁縫までやっているらしい。天馬と二人で朝早くから剣道の訓練をしているのだが、何故剣道をやらないのかと聞くと「天掛流免許皆伝の身で剣道部に通っても得るものはない」だそうだ。
 免許皆伝――漫画くらいでしか聞かない言葉だが、信じられないことに朧は既に道場の師範クラスの実力があるようだ。

 他のメンツはというと、八千夜は美術部らしいが、作品だけ送って自分は部室に姿を見せない幽霊部員となっているという。あざねはその橋渡し、そして学内メイド部で名誉顧問をしているので部活動はしていないようだ。

 悟は帰宅部。永海は写真部。エデンとエイジはというと、どこにも所属していない。
 というのも、まずエデンとしてはまだエイジが目を離せるほど安心できない存在なので自動的にエイジについていくこととなる。なのでエイジの意向次第だったのだが……。


 まず将棋部。入って二日で大会を控えた先輩方をコテンパンに負かせて自信を喪失させ、顧問に泣きながら追い出される。エイジのコンピュータ並みの学習能力が人間関係に活きないのはこういうところだと思う。

 次にコンピュータ並みの頭脳を活かしてパソコン部。途中まで優秀くらいで済んでいたのだが、三日目にはPCのシステムが不満だからとプログラムを書き換え始め、結果として備品のPC一つが「エイジにしか使い方が分からなくなるほど最適化される」という事件をやらかした。
 それ自体は咎められなかったのだが、逆に部員たちが革新的すぎるプログラムに好奇心をそそられEシステム(勝手についたあだ名)の解析に総力を注ぎ始め、その過程で「ネタばれ禁止だからしばらく来るな」と幽霊部員化させられてしまう。

 その後、科学部。実験結果を全部言い当ててしまい、その予想が合っているため「やめろォ!」と懇願され即退部。

 最終的に行き場がなくなり、さらにやらかしエイジの悪評も広まってしまい、現在は帰宅部(フリー)だ。次はスポーツをするしかないだろう。

「このプログラム、そんなに使いにくいかなぁ……」
「俺ぐらいなら使いこなせるが、凡人には厳しかろうよ。くっくっくっ……」

 自室のパソコンを簡単そうに弄るエイジと、なんとEシステムの方が普通より使いやすいと自分のPCをEシステムに書き換えてもらったという帰宅部仲間の悟。二人の間によく分からない友情が芽生えつつあるらしい。
 

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