純粋なお遊び
合縁奇縁のコンサート 16
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遅くまで待たせてしまって、ごめんなさいね。後片付けは私達がやっておくから、皆は部屋へ戻りなさい。食堂の外に居るお兄さんがお土産を渡してくれるから、忘れずに必ず受け取ってね」
「「「はーい」」」
「またね、プリシラ様」
「ええ。またね」
数十人の子供達が、ほんの少し名残惜しそうな表情を見せつつバラバラな足取りで食堂の外へ向かう。
やがて聞こえてきた元気一杯な歓声は、子供達一人一人の名前が書かれた箱をそれぞれに直接手渡しているベルヘンス卿へのお礼だろう。
後でいただきますからと言って一人だけ食事の時間をずらしていたのは、この時の為だったのか。
上司を一人で働かせてはならないと、騎士達も慌てて立ち上がり。
プリシラに呼び止められた。
「お待ちください」
振り返ると、彼女は手のひらで覆い隠せる白いポットを手に立っている。
「すみません。子供達が作ったご飯、美味しくなかったでしょう? けれどどうかお気を悪くしないで。皆は皆で、一生懸命作ってくれたんです」
「え? ……あっ! いえ、これは!」
「その、そんなつもりでは!」
「じ、自分達も、団長のお手伝いを、するべきかと……っ」
不味い食事が嫌で逃げ出そうとした、とでも思われたのか? と、一様に青褪める男達。
実際、食べ切る以前にもう一口食べられるかどうかすら自信がないので、手伝おうとしたこと自体が本心であっても、言葉にすると体の良い言い訳を並べているようで物凄く気まずい。
が。
「ベルヘンス卿ならお一人で大丈夫です。事前の打ち合わせ通りですから」
プリシラは一瞬目を丸くしたものの、特に気にした様子もなく。
困惑する騎士達に頭を下げながら、飲みかけの水が入った彼らのカップに透明な液体を少量ずつ注いで回った。
「……これは?」
「決して、有害なものではありません。そちらの水を大体十秒間口に含んで飲み込んだ後、もう一度スープを食べてみてください」
「「「 」」」
カップを眺め、手に取り、匂いを嗅いで中身を確かめていた騎士達が。
そのままの姿勢で、音もなく硬直した。
解ってはいたが、やはり完食せねばならないらしい。
この、塩味っていうかむしろ塩の塊としか思えない、料理っぽい代物を。
舌が焼き切れるんじゃないかと心配になるくらいの、塩辛い物体を。
「「「……っ、……っっ」」」
顔中に深すぎるシワを刻み、喉を鳴らし、冷や汗を掻きながら。
目だけで互いの動向を窺い合う騎士達だが。
「…………っい、……いただき、マス!」
「「?? っ……!」」
女子供相手に長い沈黙は無視も同然で礼を欠く行為だと、半ば意地のみで騎士道精神を発動させた一人の『漢』が、自身のカッ
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