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徒然草
15部分:十五.いづくにも

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十五.いづくにも

                   十五.いづくにも
 どの様な場所でも暫くの間旅をしていますと目からうろこが落ちてそこから新しい世界が開けてくるものであります。
 旅先の場所のその近所をあっちだこっちだと見て回って田畑や山里を歩けばそこでに今まで全く見たことがないものに出会うことが多々あります。それから都にあてて伝言をする為に手紙を送りそのことだのあのことだのその都度そちらの都合のいい時に対処してくれるようお願いすると御願いするというのもまた趣きがあってよいものであります。
 こうした場所にいますと色々なことに気持を注ぐことができるようになるものです。持ってきている自分の持ち物についてもいいものはよく見えますし芸達者な人や顔立ちのいい男の方や素敵なお姉さんなどもいつもよりもさらに素敵に輝いて見えます。
 またお寺や神社にで誰にも内緒で一人引き篭もったままでいるというのもこれもまたしぶく趣きのあるのもであります。
 こうしたことが多々ありますのでとにかく旅はその機会があれば是非するものであります。思わぬことを知るいい機会であります。何か違うもの、新しいものを見て不思議な体験をして人の意外な一面を見て。色々なことがありますのでそれを味わってみるべきなのです。何をするにあたってもそこには新しいもの、珍しいものがある。本当に旅というものは素晴らしいものであります。

いづくにも   完


                   2009・4・30

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