第六章
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「全員私の意のままになる剥製になれば」
「どうなるというのだ」
「争いがなく永遠に美しいままでいる」
「剥製は姿が変わらないからか」
「そうした街になるのよ」
「そう考えてか」
「私は呪術を身に着けて」
そうしてというのだ。
「今こうしてこの街でことを進めているのよ」
「あんたの目的と行動はわかったわ」
武者小路は明らかに怒りの爆発を自制している声で応えた。
「よくね」
「ええ、ではわかるわね」
「あたい達もっていうのね」
「私のこの高貴な理想がわからないわよね」
「高貴?」
これ以上はない侮蔑を以てだ、武者小路は答えた。
「外道と言ったわね」
「それが貴方の見立てね」
「自分も同じだ」
遠藤の声も怒りを自制しているものだった。
「貴様は外道だ」
「やれやれね、私の理想を理解出来ない人には死んでもらうしかないわね」
「殺してか」
「そして剥製になってもらうわ、死になさい」
男、デザイナーが右手の親指と人差し指をパチンと慣らすとだった、剥製になっている女達が二人を囲んだ。
そしてデザイナーも術を出す構えをしてきた、だが。
武者小路は一瞬でだった、人から狼人の姿に変わり。
デザイナーに向かって跳び黒漆剣を縦に一閃させた。それから。
身体から出た魂も横薙ぎにしてだった、身体は二つに分かれる直前で石化の術で石に変えて剣を持っていない左手の拳をぶつけてだった。
粉々にした、そうしてから言った。
「生きる価値すらない外道ね」
「一瞬だったな」
「ええ、こんな奴はね」
それこそとだ、武者小路は自分の後ろにいる遠藤に答えた。
「これ以上見るのも嫌だから」
「一瞬でだな」
「終わらせたわ」
そうしたというのだ。
「魂も消してやったわ」
「これで復活することもないな」
「絶対にね、さて」
「ああ、外道は始末したが」
遠藤は周りを見回した、操っていたデザイナーが倒され操られていた剥製達は糸が切れた人形の様にその場に倒れ込んでいる。
「後はな」
「剥製にされた人達をね」
「助けるか」
「身体を元に戻してあげて」
そうしてというのだ。
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