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呪われたドレス
第一章
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               呪われたドレス
 武者小路弦太郎と遠藤涼平は武者小路の神託で今は地下世界のルチャーノという街に来ていた、その街に来てだった。
 武者小路は遠藤にヴェネツィアを思わせる南欧風の建物が水路の中に並んでいる街並を見つつ話した。
「いい街ね」
「ああ、まるで水の中に浮かんでいる様な」
「そうした街ね」
「この街は水の都と言われているそうだが」
 地下世界の中でだ、実際にそう呼ばれている。
「その名通りのな」
「奇麗あな場所ね」
「全くだ、そしてだな」
「ええ、この街にね」
「お前の神託があるな」
「そうよね、さてどんな神託かしらね」
 いつものおネエ言葉でだ、武者小路は遠藤に応えた。
「あたいとしては楽しみよ」
「いつもの調子だな」
 遠藤はそのおネエ言葉の武者小路にリザードマンの顔をやれやれとさせて述べた。武者小路はワーウルフだが今は狼人になっていない。人間のやや濃いが整ったアジア系の粋な感じの風貌のままである。
「お前は」
「あたいはいつもこうでしょ、それでね」
「その調子でだな」
「神託もね」
「果たすか」
「そうするわよ」
「なら自分はだ」
 遠藤は今度は顔をきっとさせて述べた。
「そのお前を助けてだ」
「そうしてくれてなのね」
「お前と共に行こう」
「頼むわね、それでまずはね」
「街の中でだな」
「神託でありそうなお話の情報を集めましょう」
「ではな」
 遠藤は武者小路の言葉に頷きそうしてだった。
 二人で実際に街の中を歩いて色々と情報を集めた、その中で。
 街の色々な話を聞いてだ、二人でその話を店でピザを食いながら話をした。
「いや、色々ね」
「面白い話があるな」
「ええ、賑やかな街だけあって」
 武者小路はチーズとチョリソーを乗せたピザを食べつつ海老や烏賊をふんだんに乗せたピザを食べている遠藤に述べた。
「面白い話が多いわね」
「スポーツに芸能にな」
「商売のお話にね」
「上流階級の話もな」
「何処かの公爵さんの不倫とかね」
「そんな話はな」
 どうかとだ、遠藤は述べた。
「自分にとってはな」
「興味ないのね」
「ゴシップはな、しかしな」
「そうしたお話がね」
「案外神託だったりするな」
「そうなのよね」
「だからだ」
 それでとだ、また言う遠藤だった。
「無視出来ない」
「そうよ、あんたもそこはわかってるわね」
「好きでない話が目的であることもな」
 遠藤は今度はグラスの中の赤ワインを飲んでから言った、見れば武者小路のグラスの中にも同じものがある。
「あるからな」
「世の中ではね」
「こちらの世界でもな、だからだ」
 それでというのだ。
「そうした話もな」
「聞いてね」
「調べる必要があるな」
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