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英雄伝説〜灰の軌跡〜 閃V篇
第82話
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翌日、サラ達が演習地を去った後二日目の特務活動を開始したリィン達新Z組はフォートガード州の様々な場所を巡って要請をこなしていると、ユーシスから相談したい事がある為時間ができたら城館に来て欲しいとの連絡があった為、話を聞くために城館に向かった。

〜フォートガード・カイエン公爵家第二城館〜

「ユーシス、皆さん、」
リィン達が城館のホールに到着するとユーシスがアンゼリカやパトリック、ハイアームズ侯爵と話し合っていた。
「…………来てくれたか。」

「なんだ、呼んだのか?」

「おや、明け方ぶりだね。」

「はは、久しぶりだね。」

「ご無沙汰していますわ、侯爵閣下。」

「お久しぶりです!」

「フフ、リィン君にセレーネ君、新Z組の諸君。新しいメンバーもいるのか。何やら急ぎのようだが一体どうしたのかね?」

「…………自分の方から説明します。私事みたいなものですが―――」
ユーシスが、ミリアムと昨晩から連絡がつかないことを説明した。


「オライオンが…………!?」

「ふむ、こちらに来ているとは聞いていたが…………」

「このタイミングでとなると少々、心配ではあるな。各方面に問い合わせたのかな?」

「ええ、所属する情報局と鉄道憲兵隊の方にも一応。ですが双方とも心当たりがなく続報があれば連絡して欲しいと逆に頼まれました。」

「それは…………」

「不安が一気に増した感じだね。」
ハイアームズ侯爵の質問に答えたユーシスの説明を聞いたパトリックとアンゼリカはそれぞれ真剣な表情を浮かべた。
「…………まったく…………何をしてるのですかあの人は…………」

「アル…………」

(なんだかんだ言っても、ミリアムさんはアルにとってお姉さんだから心配みたいね…………)
ミリアムに対する不満を口にしたアルティナの様子をユウナとゲルドは心配そうな表情で見つめた。
「ミリアムについては一旦こちらで引き受けよう。この状況での情報局員の失踪…………何かが起きている可能性が高い。特務活動の主旨にも適うだろう。…………みんな、構わないか?」

「ええ、もちろん!」

「新海都周辺の事件であれば私としても気になりますし。」

「それに昨夜リウイ陛下達が教えてくれた今回発生すると思われる要請(オーダー)の件にも何か関係があるかもしれませんわ。」

「ミリアムさんの捜索という形で活動内容を切り替えましょう。」

「…………皆さん…………」

「――――すまない、感謝する。」
リィン達の気遣いにアルティナが驚いている中ユーシスは感謝の言葉を述べた。
「で、なんか手掛かりはあんのか?この街は馬鹿でかい。ノーヒントじゃ流石に厳しいぜ。」

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