暁 〜小説投稿サイト〜
ユキアンのネタ倉庫
Knight's & Magic & Carrier 7
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「イサドラ、トールの様子はどうでした?」

「また大量の鼻血を出しながら作業をしていました。それでも10日でほぼ完成しているようでしたが」

「イサドラ、あまり分かっていないようだけど、あれが完成した暁には飛竜艦は敵じゃなくなるわ。ただの的よ。それも使い捨ての」

銀凰騎士団旗艦マクロス・クォーター。4分の1の大きさではなく完成度25%の意味で名付けられた艦の特殊砲、マクロスキャノン。全部品を魔力転換炉(・・・・・)と同じ材料で作られた化物大砲だ。わかりやすく言えば超特大サイズの魔力転換炉の出力を全て放射だけに注ぎ込んだ文字通りの怪物。何に向かって放つつもりなのか聞きたくない。

魔力転換炉と同じ材料を使っているのも簡単な理由だ。それ以外耐えられる鋼材がないからだ。その魔力転換炉と同じ鋼材ですら術式で強化する必要があるぐらいだ。説明するとようやくイサドラも理解したようだ。

「本当に必要なのでしょうか?」

「本来なら必要ないと言いたいんだけど、例の飛竜艦の開発者、どうも逃亡しているみたいなのよね。ご丁寧に研究資料毎」

行き先は何処かわからないけど、時代は大航空時代に突入する。飛竜艦の開発者は飛空船の開発者でもある。国の上層部としては喉から手が出るぐらい欲しい人材だ。イレブンフラッグスの可能性は殆ど無い。研究者と商人は相性が悪いから。商人は目に見える成果を欲しがるが、その過程を出し渋る。そうなると、北のどれかでしょうね。だから対応策として目をつぶっているのです。

「それにしても、幻晶甲冑を外部から同時に10機も操作ですか。鼻血程度でよく無事に済んでいますね」

「現場から起動するたびに思いっきりえびぞりになって怖いと訴えられたのですが」

「ならトールを楽に出来るように腕を磨きなさいと伝えて。高い給料は何のためにあるのかも。王は国の奴隷とはよく言ったものよ。それはこの書類の山を見れば分かるでしょう」

ここまでの会話でイサドラとは一切目があっていない。合わせる余裕がないのが正しい。我が執務室は戦場だ。既に何人もの文官が負傷者として担ぎ出されている。全く、か弱い乙女がこれだけ頑張っているのに逃げ出そうとするなんて。

「陛下はか弱くもありませんし、乙女でもないのでは」

「トールに比べればか弱いですし、心はいつまでも乙女のまま。何も問題ないですね」

「すごい強引な理屈ですね」

「わがままは女の子の特権です。まあ、見極めは重要ですが」

ここまでなら許してもらえるというラインの見極めができないとすぐに見捨てられることになります。あと、逆鱗の把握もしっかりしておかないと酷いことになります。

「それと座乗艦をどうするのかと大臣たちから来ていますが」

「そこはトールとの相談になるのよ
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