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徒然草
12部分:十二.同じ心ならん

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十二.同じ心ならん

十二.同じ心ならん
 自分と同じ心の形を持っている人とあれこれとお話をしたりして楽しいと思っていることやどうでもいい詰まらない世間の話でも自分や相手にとって都合の悪いことを隠したりせずに語り合うことができるなら幸せなことというのはわかっているけれど微妙なことだとしても相手と迎合してにやけながら相手と向かい合うだけの場合は何か孤独な気持がするものでしょう。
 お互いに同じ意見を言いたいと思ったなら聞いてみる価値もあるものですがそれとは少し違った意見のある人である場合は自分はそうではないと思う等と反抗的な態度をしてみせそういう考え方でいるとそういった結果になる等話し合ったとしたらそれはそれで退屈な気持ちから解き放たれるだろう。けれど本当は少しのことでも自分が言いたい愚痴をわかってくれていないと話したとしたら有り触れた愚にもつかない話をしている時はいいかも知れないが心から付き合える友人と比べたらそれは遥か彼方にいる人と話しているようで切なくなってしまうものであります。
 人の心とは実に難しいものでありましてそうして話をすることもまた難しいことであります。そうしたことは常に心に留めておいているつもりなのですが残念ながらそうともいかない時もまたありまして。こうして振り返っても中々思うようにいかないものだと考えてしまいます。


同じ心ならん   完


                 2009・4・27

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