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英雄伝説〜西風の絶剣〜
第59話 生誕祭 前編
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を浮かべた。


「な、何を言って……」
「いや隠してるつもりなのかも知れないが多分お前さんに関わっている人物は察しているぞ。気が付いていないのはリィンくらいじゃないか?」
「う、うぅ……」


 ルトガーの言葉を聞いたラウラは顔を両手で隠してしまった。


「何という事だ、そんなミスを犯していたなんて……」
「別に隠す事でもないと思うけどな」


 カラカラと笑うルトガーにラウラは恨めしそうにジト目で睨む。


「んで、告白とかはしないのか?」
「……いいのです。リィンもフィーも私の大切な友人で、そんな二人が結ばれるのならそれは喜ばしい事です。だから二人の邪魔をするわけにはいきません」
「真面目だな、もう少し自分に素直になってもバチは当たらねえと思うぞ。俺だってマリアナ以外にも関係持った女性は結構いるぞ?」
「そういう話はやめて頂きたいのだが……」


 猟兵王と呼ばれるルトガーは、マリアナ以外にも関係を持った女性はかなりいる。マリアナ自身も最早諦めたようで自分が一番なら構わないと言っているらしい。
 貴族が本妻以外の愛人を作ることは珍しい事ではない。だがラウラの父であるヴィクター男爵は真面目なのでそういう事はしないし娘であるラウラも一人を愛するのが普通という考え故ルトガーの話を聞いていて恥ずかしいのか顔を赤くしている。


「いっそラウラが二人を娶ってくれれば俺も安心なんだけどな」
「娶る?リィンはともかくフィーは同姓ですよ?一体どういう意味ですか?」
「つまりな……」


 意味が分からないというラウラに、ルトガーは世の中には男性も女性も愛する性癖の持ち主がいると説明する。
 するとラウラの顔が耳まで赤くなった。


「ル、ルトガー殿!そういう冗談はやめて頂きたい!」
「ウブだねぇ……」


 そういう趣味の人もいるとは知ったが、自分はそんなんじゃないと顔を真っ赤にして抗議するラウラ。
 そんな彼女にスマンスマンと反省の色など見られない謝罪をするルトガーだった。




―――――――――

――――――

―――


 ルトガー達と別れたリィンとフィーは、まず自室に戻りシャワーを借りて身だしなみを整える。そして街に向かおうとすると丁度カシウスが戻ってきた所に出くわした。


「あ、カシウスさん!」
「ああリィンか。目が覚めたようだな」
「はい。聞けば俺の為に態々医療器具まで取り寄せてもらったと聞いています。本当にありがとうございました」
「気にしなくていい。俺も娘たちが世話になったからな」


 リィンがカシウスにお礼を言うと、彼もエステル達が世話になったと話す。


「そういえばエステルさん達は何処に?」
「あいつら
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