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英雄伝説〜西風の絶剣〜
第59話 生誕祭 前編
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になった。だからフィーを探すためにリベールに残った事は別にいいさ」
「団長……」
「でもケジメはきちんとつけねえとな」
「ケジメ?」
「まずお世話になった人たちに礼をする事、後心配していた他の団員達に誠意を込めて謝る事。特にマリアナやゼノ達はかなり心配していたからな」
「そっか、皆が……」
「後溜まっていた仕事はちゃんとしてもらうからな、しばらくは休み抜きだな」


 ガハハと笑うルトガーだが、リィンとフィーはげんなりとしていた。
 半年近くも団を離れていたのだから仕事も相当溜まっているだろう、それを想像するとげんなりするのも仕方ない。


「まあ自分たちが蒔いた種だししょうがないか」
「そんな顔をすんなよ、今日は祭りみたいだし帰るのは明日にしてやる。だから最後の休日を存分に味わってこい」
「あ、そうだ団長。実はリィンの事で話さなきゃならないことがあるの」
「フィ、フィー!?」


 話がひと段落しそうになったとたん、フィーがルトガーにリィンについて話があると言い出した。
 それを聞いたリィンは途端に焦りだす。


「話?他に何か話すことがあるのか?」
「ん、リィンにとってかなり大事な話になる。だから団長に聞いてほしい」
「ちょ、ちょっと待ってくれ!フィー、今話すのか!?」
「ん、リィンの力を知るためにも団長の協力は不可欠」
「それはそうだけど……」


 言いよどむリィンにルトガーは疑惑の視線を送った。


「おいリィン、話っていうのは親の俺にも言えない事なのか?」
「そ、それは……」
「もしや私がいるからか?ならば席を離れるが……」
「ん、ラウラもある意味関係ないわけじゃないしここにいて」


 ラウラはてっきり自分がいては話せない事なのかと思い席を離れようとするが、フィーはラウラがいても問題ないと話す。
 彼女も自分やリィンの親友だからちゃんと知っていてほしいとフィーは思ったのだろう。
 3人の視線を受けたリィンは、観念したように目をつぶった。


「……仕方ない、話します」


 そしてリィンは自分の中に眠る力についてルトガーとラウラに話し始めた。


「……という訳です」
「そなたにそんな秘密があったのか……」
「怖くないのか、ラウラ?」
「そなたは私の親友だ、驚きはしたが恐れる理由など何もない。寧ろそれに気づいてやれずにそなたを苦しませてしまった私自身が歯がゆいくらいだ」
「ラウラ……」


 リィンはてっきり嫌われたんじゃないかと思ったようだが、ラウラは気にもしていないという風にそう返した。
 これにはリィンも驚き、ラウラの心の広さに感銘を受けた。


「はっ、ようやく話したか。随分と待たされたもんだな」
「うえっ!?団長
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