バレンタイン・キッス
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いうか……」
「うっせーな、いいから作れよチョコ。料理好きなんだろ!」
人に物を頼むとは思えない態度……これがマリーのスタンダードです。
「誤解があるようですが、私は料理が好きなのではありません。好きな人に作る料理が好きなんです。そうリュリュさんにね!」
「だったらリュリュ姉にも作れば良いだろ。そんくらいの材料費が増すのは許してやるよ!」
「何でこの期に及んで上から目線なんですか!?」
「そんなの当たり前「マリーちゃん!!」
口論が泥沼化しそうになった時、そこに現れたのはマリーの相方ピエッサ。
「こんな馬鹿な企画、通るわけないでしょ! ラングストン閣下に迷惑をかけないでちょうだい!」
「迷惑じゃねーし」
「いえ大迷惑です」
「それにこんな国家機密満載の場所に、無断で来ちゃダメです!」
「あぁピエッサ殿、その点は問題ありません。ここにある機密事項は王家に深く関わっている方々には知られても大丈夫な物ばかりですから。だからマリーさんは元より、貴女も既に深入りしておりますよ(笑)」
「ヒ、ヒィィィ! い、嫌です……深入りなんてしたくありません! そ、早々に出て行きますから……何も見てませんから!!」
「あ、ちょっと……引っ張んないで……ま、まだ話が終わって……お、憶えてろよ、ウルフに言いつけてやるかんな!」
こうしてマリーはピエッサに引っ張られながら捨て台詞と共に近衛騎士隊長室を後にした。
(グランバニア城内・廊下)
「んもう……交渉の邪魔しないでよね!」
「何が交渉よ。どうせ我が儘をぶつけてただけでしょ」
流石は相方。見て無くても見てたかの様に解るのですね。
「いいもん。それならウルフに言いつけるだけなんだから」
「またぁ……宰相閣下を巻き込まな……って、話を聞いて!」
マリーの次なる計画に溜息でダメ出ししようとするも、時既に遅し。大きな胸を揺らして宰相閣下の執務室へと駆け出していたマリー。
そしてそれを慌てて追いかけるピエッサ。
だが以外にマリーの足が速く、追いつく事無く舞台はグランバニア王国宰相の執務室へ……
(グランバニア城・宰相兼国務大臣執務室)
「ウルえも〜ん、ジャイアストンがいじめるんだよぉ〜〜〜」
相も変わらずノックなしで乱入するマリーに、周囲の者も呆れ顔。
だが部屋の主であり、乱入者の目的の人物たるウルフ宰相は微動だにせず、執務机に置かれた書類から目を離さない。まるでマリーの存在に気付いてないかの如く、書類を読み署名をしている。
「はぁ……はぁ……マ、マリー……ちゃん……ぜぇ……ぜぇ……」
遅れて登場した相方ピエッサ……
激しく息切れしている様子。
「あ、あのピエッサさん……飲みかけですけど
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