暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン〜Another story〜
オーディナル・スケール編
第270話 オーグマー
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「アインクラッド第1層のボス《インファング・ザ・コボルドロード》!!」
2022年11月6日。
フルダイブ型仮想現実ゲーム機《ナーヴギア》のソフト『ソードアート・オンライン』のユーザー1万人はサービス開始初日、開発者 茅場晶彦の手によって、ログアウト不能『ゲームオーバー』=『現実の死』という過酷なるデスゲームに追いやられた。
圧倒的な絶望の中、ゲームクリアを目指し、
剣を取る者。
恐怖に負け他者との接触を断つ者。
なかにはプレイヤー同士で命を奪い合う者さえいた。
そして――永遠とも思える時間が過ぎた2年後の2024年11月7日。
あるプレイヤー達の英雄的な行動により、ゲームはクリアされ、人々は解放されることになる。
〜 某所 とある研究室 〜
3000もの人命が失われた未曽有の事件。
SAO事件の詳細を静かに目を通す者がこの研究室にいた。その者以外は誰もいない。ここに響くのはその男の声のみ。静寂な空間だった。
「……そして、最終的には、3000人もの人々が犠牲となり、首謀者である茅場昌彦の死で事件はその幕を閉じた……。そして、生き残ったプレイヤー達はSAO
帰還者
(
サバイバー
)
と呼ばれ、今は現実世界で普通の生活を取り戻している……」
静かに、だが 重く、はっきりと周囲に聞こえてくる声。
そして、その目の奥には暗い。底知れぬ闇が潜んでいた。
そして、場面は再び戻る。
あの悪夢の世界の第1層ボスは撃破する事が出来た。
あの命の危険のある世界と今の現実の世界では違う。これはただのゲーム……なのだから。
だから、剣先が鈍る事もなく、恐怖にかられる事もなく、当然 死人が出ることもなく、撃破し終わりを告げた。
「あーあ。もっと歌いたかったなぁ……ざーんねん」
そしてユナと呼ばれる少女……歌姫は 少し落胆をしていた。
彼女は、特別なイベント戦で出現する。その場所で声を上げて 美しい歌声を響かせるのだ。
当然、その歌はボス戦の間だけであり、それが終わると歌も終わる。
ユナは、戦闘時間が短かったため、少ししか歌う事が出来なかったから、それが不満だったのだ。
そんな落胆するユナの傍には、1人の男がいた。残念そうに顔を俯かせるユナに、笑いかける。
「大丈夫。歌えるさ……。明日も、明後日も」
その答えに、ユナは目を輝かせる。落胆していた表情が、まるで嘘だったかの様に。
「ほんとっ!? ほんとに
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