暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン〜Another story〜
オーディナル・スケール編
第270話 オーグマー
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〜アインクラッド第22層 リュウキとレイナの家〜



 それは滅びた世界での思い出。
 生きるか死ぬかの修羅場。そんな世界だったが、……心から安らぎを得られていた時の記憶。


 レイナとリュウキの記憶。
  

『え、流星?』
『うんっ、お姉ちゃんとキリト君。現実に帰ったらさ。見に行くって約束したんだって!』

 この日、話題に上がっていたのは、キリトとアスナの事だった。
 

 この世界の空は、星が無い。昼と夜があり、つまり太陽はあるのだが、夜空に瞬く星々は無かった。
 ある日の夜。キリトとアスナは約束をしたのだという。いつか、流星を見に行こう、と。

『成る程……』
『お姉ちゃんと同じで、私も流星は見た事無いんだ。現実世界。住んでいる所は夜空が明るくってさ。夜も明るいのは良いんだけど……やっぱり綺麗な星って見てみたいって思うなー』

 明るければ色々と安全面では確かに良いかもしれない。でも、人工的な光ではなく、こうやって 世界が生まれた時から存在しているであろう綺麗な自然の瞬きは、やっぱり感動する。
 だからこそ、アスナの話を聞いた時、レイナも同じ気持ちになった。

 素敵な景色を、……最愛の人と一緒に見られる。とても幸せを感じる。

『よし。……なら、オレ達も見に行こうか』
『え?』

 話を聞いていたリュウキは椅子からゆっくりと腰を浮かせた。
 そして、この家に備え付けてあるバルコニーへと足を運ぶ。

『確かに、アインクラッド(ここ)は星が見えないな。ここから見える景色は好きだから、言われるまで気付けなかったかもしれない』

 夜空を見上げた。幻想的な光は確かにある。まるで無数の蛍が宙に漂い、舞っているような光がある。この景色も嫌いではない。……リュウキは、以前までは考えもしない事だったが、心にゆとりが出来て、……いや、違う。心の安らぎを知って、ただ何でもない様な事が幸せだと思える事に気付けたから。

『オレも、2人と一緒だ。流星は見た事が無い。……ずっと家に籠っていたから』

 はは、と苦笑いを浮かべるリュウキの傍へ、そっとレイナは近づいた。

『だから、オレも見てみたい。初めてをレイナと一緒に、見てみたい』
『……うんっ。私もみたい! 見てみたい! 約束、約束だからね? リュウキくんっ』
『ああ。キリトやアスナと被らない様にしないと、だな。一緒に言ったとしても、断られるとは思わないけど、……こういうのは、やっぱり2人が良い、から』

 照れくさそうに頬をポリポリと掻くリュウキ。それを見たレイナは頬を緩ませながら、リュウキの腕に自身の腕を絡
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