幕間の物語「いつかどこかの時間軸」4
戦後処理だねカルデアさん!
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共に在る事を望んでいる。どうする、万能の。そして司令官代理。特異点の攻略に、あのような娘を連れていくなど足手纒いにしかならないぞ」
「勿論ボクはあの娘を連れて特異点に行くのは反対だよ。論理的にも、感情的にも認められない」
「あの湖の騎士のデミ・サーヴァントなのに?」
ダ・ヴィンチの反駁に鉄の宰相は三白眼で一瞥する。
「あの男の実力は知っている。真実あの娘があの男そのものであったならば反対はしない。だが所詮は戦いの心得すらない小娘だろう。戦う術を知らない素人を、どうして戦力として計上出来ると思う」
「知ってる、言ってみただけさ。――問題はあの娘、かなりキテるぜ。士郎くんと離されそうになったら、あの力で暴れかねない。一番の問題はそこだ」
「……」
「……」
倫理の欠けた幼い少女が、癇癪を起こして暴れる光景。サーヴァントの力で、だ。人間には太刀打ちならず、カルデアに甚大な被害が齎されかねない。
具体的なビジョンが目に浮かぶようで、カルデアの最高頭脳達は揃って沈黙した。暫しの間を空け、そして彼らは決断する。
「全部士郎くんに丸投げしよう」
万能の天才の提案に、男達は異議なしと声を揃えた。
『死国残留海域スカイ』と銘打たれた特異点は復元されていた。士郎らが帰還する、ほんの五分前の事だ。
カルデアに帰ってきたネロは疲労困憊を極め、帰還するなりそのまま眠りについた。同道していたアーチャーのアタランテとエミヤはフェルディアによって撃破され、英霊召喚システムによる再召喚待ちである。
健在なのは光の御子クー・フーリンのみ。しかし彼もまた満身創痍だ。全身傷のない箇所は見当たらず、大儀そうに鉛色の吐息を溢している。
「……おう、お嬢ちゃんじゃねぇか。マスターの様子はどうだ?」
マシュが光の御子と出くわしたのは士郎のメディカル・ルームを出た廊下である。
クー・フーリンはサーヴァントだ。見た目を取り繕う事で、外見だけは回復しているように見せているが、その霊基は非常に損傷が激しい。マシュは彼を気遣うも無用だと手で示され、クー・フーリンの問いに答える。
「先輩は無事……ではないですが、命に別状はありません。近い内に目を覚ますだろうとドクターとダ・ヴィンチちゃんは言っています」
「そうか。……チ、オレがもうちょい早く始末つけられりゃよかったんだが」
番犬が聞いて呆れるぜ、と。士郎が聖杯の泥に呑まれた件を聞いていたのか、クー・フーリンは腹立たしげに舌打ちする。
「この失点は次の戦いで取り戻す。やれやれ……今回ばかりはオレも疲れた、ちょい休ませてもらうぜ」
「あ、クー・フーリンさん」
「あん?」
「その、そちらの戦いはどうなった
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