暁 〜小説投稿サイト〜
ロックマンX〜Vermilion Warrior〜
第9話:Break Time
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べられないなんて勿体ない」

ルインは紅茶をエックスに差し出しながらゼロに対して不機嫌そうに言う。

「まあ、俺達にも味の好みはあるし…頂きます」

パクリと彼女が作ったケーキを一口頬張るとチョコレートの甘い風味が口の中に広がる。

「どう?今日のは甘さは控えめにしてみたんだけど?」

上に乗っている生クリームも自分のために甘さを抑えているのだろう。

甘くはないし、添えられている果物の酸味が程良く効いて、甘さをさらにしつこくない物にしていた。

「美味しいよ。これならまだ食べられるよ」

「本当?やった♪」

嬉しそうな表情を浮かべるルインにエックスも穏やかな笑みを浮かべた。

しばらくして食事を終えたルインは自室のベッドに仰向けになった。

窓から射し込む太陽の光が気持ちいい。

「う〜ん、食べた後寝るのは人間時代は厳禁だったんだけど、今は食べた後すぐ寝ても平気だからレプリロイドになってよかったって思う点かもね」

「(確か…)」

人間の女性の大半が体型を気にしていると言うのはエックスも聞いたことがある。

どうやら人間時代のルインも例外ではなかったらしく、思わずエックスはクスリと笑ってしまった。

「あ、何笑ってるのエックス」

「ああ、いや…ごめんごめん」

謝りながらも笑いが止まらないエックスにルインは頬を膨らませる。

「こういう穏やかな時が続けばいいのに」

「それを作るのが私達の仕事だよエックス」

戦いの間の少しだけの穏やかな時間の中、2人は笑い合うのであった。
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