暁 〜小説投稿サイト〜
ロックマンX〜Vermilion Warrior〜
第9話:Break Time
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人間とは肉体と魂が共にあってこその存在なのだから。
「ルインは…」
「何?」
サンドイッチを口に運びながらルインは首を傾げた。
「ルインはその…元々は人間だったんだろう?」
「…ゼロから……聞いたの?」
サンドイッチを持つ手を止めてエックスに尋ねるルインにエックスは頷いた。
「…ああ、どうして人間であった君がレプリロイドになったのか……すまない、言いたくないならいいんだ」
自分だって経歴が不明なレプリロイドだ。
自分の製作者が完成間近だった時に亡くなり、ケインが自分を引き取ったらしいが…とにかく自分にも解析出来ない部分が沢山ある。
ブラックボックスの塊であるために何度研究者からの好奇の視線にさらされたか分からない。
彼女を傷つけたくないと、エックスは話を中断しようとしたが…。
「生きたかったからかな?」
「え?」
「私ね、レプリロイドになる前のことはもう殆ど思い出せないんだ。家族や友達のことも…でもレプリロイドになる前にこう思っていたのは分かるんだ。“もっと生きたい”って」
「生きたい…」
人間からレプリロイドになってまで生きたいと願う心。
かつて人間だった彼女がどういう気持ちでこのような思いを抱いたのかは自分にも彼女にも分からない。
「今だってもっと色んな人に会いたいし、色んな物を見たいし、色んな人に私を知って欲しいから……今の私をね」
「そうか…」
「私は…ルイン…第17精鋭部隊所属のイレギュラーハンターだよ。今も、そしてこれからもね」
ウインクしながら言う彼女にエックスは動力炉が強く動いたような錯覚を覚えたが、気にせずに頷いた。
「そうか…そうだよな。君は君だ。例え君が人間だろうとレプリロイドだろうと君は君だからな」
「そういうこと…あ、エックス。レタスが落ちるよ」
「え?おっと!!」
ルインに指摘されたエックスは零れ落ちそうになるレタスを押さえるとサンドイッチを頬張る。
ルインはクスクスと笑いながらエックスを見つめる。
「笑うなよ…それにしても君は料理が上手だね。俺も料理は出来るけど…お菓子作りは君に負けるんだよな…」
「戦闘型レプリロイドで料理が出来るのって何人いるんだろうね」
現時点では兄が家庭用ロボットであり、その後継機であるエックスと元が人間であるルインくらいしかいないだろうが。
「実はデザートもあるんだ。」
もう1つの小さなバスケットからチョコレートカップケーキを取り出すルイン。
「ケーキ?」
「そう、今日はチョコレートのカップケーキ。ゼロは食べてくれないからね〜」
「まあ、ゼロは甘いの好きじゃないからね」
「そうなんだよ。甘い物が食
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