第1部
ロマリア〜シャンパーニの塔
ロマリアにて
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もごはん食べる? 一応四人分頼んどいたんだけど」
「もちろん!! 丸一日メシ食ってねえから腹減って死にそうだぜ!!」
そういうと、すぐに私の隣にどかっと座り、テーブルに突っ伏した。
「そのまま永遠に寝てろサル」
ユウリの攻撃に、ナギの眉がひときわつり上がる。
「ぁあ!? 何だと!! 昨日あんだけヘタレだったくせに、よくそんなえらそーなこと言えるよな!! つーか助けてやったんだから礼ぐらい言えっつーの!!」
「俺はお前みたいな野性のサルと違って繊細なんだ。それにお前あのジジイに言われたじゃないか。勇者である俺の手助けをしろと。俺を助けることはすなわち義務。よってお前に礼を言ういわれはない」
「だーっ!! なんなんだよ、めんどくせえよ!! 義務とかマジわかんねーんだけど!!」
そう怒鳴りながら、頭をぐしゃぐしゃに掻き乱すナギ。
「まあまあナギ、怒ったところでお腹減るだけだし、とりあえずご飯がくるまで待ってようよ。ユウリも病み上がりなんだしさ」
「はあ? お前はそれでいいのか? そんな甘いこと言ってると、こいつどんどんつけあがるぞ!」
「今はそんなことで揉めてもしょうがないって。それよりご飯だよ、ご飯」
「そんなことってなんだよ、重要なことだぞそこは」
それでも腑に落ちないナギをなんとかなだめて、私たちは食事が来るまでとりとめのない会話をして時間をつぶした。といっても、ほとんどナギとしか話してないけど。
「そーいやミオってさ、この近くの村に住んでたんだろ? どの辺なんだ?」
ナギがぼさぼさの髪の毛を手ぐしで整えながら、たずねた。
「そんなに近いわけじゃないけど……。ここから北にずっといったところにあるカザーブって村だよ」
「カザーブ……? ああ、あの山に囲まれた田舎くささ満開の村か。まさにお前にぴったりな村だな」
いきなり横からユウリが口を挟んできた。いろいろ突っ込みたかったが、ふとある疑問がわいた。
「ユウリ、私の住んでた村知ってるの?」
「当然だ。世界を回るためには世界のことを知る必要がある。これでも世界各国の村や町、遺跡などの情報は前もって頭の中に入れてある」
「つーか頭でっかちなだけだろ」
得意げに言うユウリ。横にいるナギはかなり不愉快そうにしている。
「お〜い、おまたせ〜♪」
かわいらしい声でやってきたのは、お風呂から上がった金髪の美少女だった。お風呂上がりの彼女は上気して、白い肌がほんのりピンク色に染まり、ますますかわいらしさがアップしていた。けれど、違和感を感じて、すぐそれに気づく。
「ねえ、シーラって本当は髪の毛ストレートだったの? 一瞬誰かわからなかったよ」
いつもはボリュームのある巻き髪の彼女だが、レーベの村で泊まったときは、シーラはすぐに寝てしま
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