ギルドの雑用係
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ている。
又、男冒険者の間でも綺麗所のリーアさんは人気で、ピーク時にはリーアさんの列が一番長くなるらしい。
そんな人に朝から会えるのは素直に嬉しいが、何故かは知らないが、この頃リーアさん以外の受付嬢に対応されてない気がする。
嫌がらせとかそういうのじゃなくて、他の受付嬢が来る頃にはリーアが来るからだと思うが。
いや、まあ嬉しいので良いが、そろそろ他の男冒険者からのやっかみが来そうで怖い。
「ふふっ……確かに、そうですよね。──それで、良い依頼は見つかりましたか?」
返答に何故かクスッと微笑んだリーアさんに困惑しながら、「はい。これでお願いします」と、依頼書を渡す。
「はい。少々お待ち下さい──」
受け取ったとき、また何故か予想していたような微笑みを浮かべたリーアさんは、慣れた手つきで書類をパラパラと捲りながら、依頼書を何回か見比べ、「確認致しました」と、羽ペンを持ち、担当受付嬢の欄に名前を書こうとするが、その前に俺へ確認してきた。
「最後の確認ですが……本当にこの依頼を受注しても宜しいのですね?」
普通なら咎める表情で『この依頼は報酬額と依頼内容が不釣り合いであり──』と他の受付嬢には言われるのだが、何回も俺に対応してきた数人の内の一人であるリーアさんにとって、このやり取りは何回もしてきたので説明を省いたのだろう。
今のリーアさんの顔は咎めるような表情とは程遠い、又、俺の心を見透かしたような目で笑顔である。
「はい」
勿論、俺が肯定することを分かっていたから笑っていたのかは不明だが、大体そんなとこだろう。
「承知致しました」
隣の欄に俺が記入した名前が霞んでしまう程の綺麗な字で名前を書き上げ、「依頼達成を祈ります」と手渡される。
「ありがとうございます」
「上質な薬草採取……正にエーデルさん打ってつけの依頼ですね。いつもこのような依頼の他にも、他の冒険者の皆さんが手に取らないような依頼を率先して受注し、必ず達成してくれるエーデルさんみたいな人が居ると本当に助かりますよ」
「いえ。こうして雑用係がするような依頼をしてるのは、戦闘を出来る限りしたくないからですから」
「それでも、行動としての結果が称賛に値するものなのは変わりありません。実はエーデルさんのお陰で二年前に比べて王都の皆さんからのギルドへの評価と信頼が日に日に相当高くなってきてるんですよ。本当にいつも助かってます。ギルド員を代表して礼を言わせてください。……本当にありがとうございます」
正直、リーアさんにここまで感謝されると照れる。
大丈夫だろうか。俺の鼻の下が伸びてないか鏡で今すぐ確認したい。
「……まあ、こういう仕事ぐらい
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