暁 〜小説投稿サイト〜
ロックマンX〜Vermilion Warrior〜
第6話:Lunch time
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はないよ」

「でも…あの時……あの時俺がシグマを撃てていたら…」

「…………」

ふと、エックスの脳裏を過ぎるのは反乱軍の爆破テロのために子供を助けて瓦礫の下敷きになり、機能停止してしまったレプリロイドの瓦礫の近くで子供が泣いていた姿だった。

自分を助けてくれた彼のために、子供は顔をぐしゃぐしゃにしながら大きな声で泣いていた。

エックスは泣きじゃくる子供を背負って、彼の両親の元へと送った。

この子を生かした彼の優しさがとても尊く、この子の流した涙がとても悲しいと思えたから。

「エックス、私達レプリロイドだって完全じゃないんだよ?何でも背負おうとしないで」

「……でも」

「もしエックスが迷わずシグマを撃っていたらシグマと一緒にゼロも死んでいたよ」

ゼロからミサイル基地での出来事を聞いていたルインは戸惑うこともなくエックスに言う。

「…っ」

ルインの言葉にエックスは思わず閉口してしまう。

「何が正しくて、何が間違っているのかは…私にも分からない…。けど私はシグマのしようとしていることは間違っていると思う。エックスは違うの?」

「そんなわけないじゃないか!!」

ルインの言葉にエックスは思わず声を荒げた。

確かにシグマの言う通り、犠牲の無い進化など確かに無いかもしれない。

種として生きるには、進化は確かに必要な物なのかもしれないが、エックスは流された血に触れて流された涙を前にしたことで分かるのだ。

言葉には出来ないが分かるのだ。

こんなことは間違っていると心が叫んでいる。

「それが分かっているならいいんじゃないかな?」

「え?」

ルインの言葉にエックスは目を見開き、そんなエックスをルインは優しく見つめた。 

「心がこんなことを“違う”と、“間違っている”と言っている。それでいいんじゃない?多分こういうのは理屈じゃないんだよ」

「…………」

「エックス、私達は戦わなきゃいけない…そして勝たなきゃいけないんだシグマに。それが、私達のミスで死んでしまった人々やレプリロイド達に出来る唯一の償いだと思うから」

「…そう、だな……」

「大丈夫だよエックス、君は1人じゃない。ゼロやケイン博士…私だっているんだからね」

ルインが笑みをエックスに向けると、エックスもルインに笑みを返した。

「よし、それじゃあご飯だね♪ハンターベースのレーションだけど食べよう。あんまり美味しくないけど」

レーションの加熱も丁度終わり、ルインはレーションを取りに向かう。

「そうだね、頂くよ」

ハンターベースでは賞味期限の切れる半年前に新品のレーションと交換する際、古いレーションをルインを含めたハンターが食事代わりに少し
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