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人理を守れ、エミヤさん!
真名開示 エミヤシロウ
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 おたくらは起源は同じでも別人のはずだ。特にあんたの認識だと、明確に違う存在のはずだろう? なのになんで、属性が同じなのかねぇ」
「……」

 面白そうに腕を組み、にやにや、にやにや、醜悪な害意を匂わせる。なぶり殺しにしようとする外道の魔術師を想起させられた。
 
「ああ、覚えてない(・・・・・)のか。趣味が悪い、いやオレに言えた口じゃねぇけど? おたくの対魔力はナメクジみてぇなもんだし、無理もねえか?」
「……?」
「問題です。五問連続正解したら、何事もなくおたくを解放してやるよ」
「なに……?」

 唐突な提案に、士郎は眉を顰めた。何を考えている……。どのみちアンリ・マユに時間はない。ロマニが大聖杯から異物を排除するのに掛かる時間は少しだ。
 ならここは乗って、時間を潰した方がいいと判断する。無駄話で乗り切れるならそれに越した事はない。

「いいだろう、答えてやる」
「へっ、それでこそエミヤシロウだ」
「……」

 いちいちフルネームで呼ばれるのに、鬱陶しさを覚える。露骨に舌打ちすると、陽気にアンリ・マユは言った。

「問一、あなたのお名前はなんでしょう!?」
「……馬鹿にしているのか?」
「いいから答えろって。カウントダウン、ごー、よーん、さーん」
「……衛宮士郎だ」
「ぴんぽんぴんぽーん! だぁいせいかーい! やるねえ、こんな難問にいきなり正答を出せるなんて、中々出来る事じゃねぇぜ?」
「……」

 狂人かこれは。士郎は努めて苛立ちを抑え込む。幼稚な茶々でペースを崩されるなんて、情けない醜態だろう。何が嬉しいのか喜悦を瞳に宿す影法師。その調子は留まる事がない。両手を広げて、奴は問いかけてくる。

「問二、この光景はなんでしょう?」
「……俺の心象風景だ」
「ぴんぽーん! すっげぇな、おい。いや、嫌みじゃねぇぜ? それが分かるなんて本気で大したもんだ」
「……」

 固有結界の使い手が、自身の心象風景も把握出来ない愚図なわけがあるまい。
 ……そういえば、なんの意図があってアンリ・マユは、士郎の心象風景を再現している。聖杯の中だろう、これは。ならば、こんなものを見せる必要は――

「ああこれは問題じゃねぇけど聞いてくれよ。なあエミヤシロウ、ありゃなんだ?」
「あれとは?」
「あれだよあれ(・・)! ほら、あの空に浮かんでる奴!」

 それは、歯車。アンリ・マユは、悪意も露に指差していた。
 答えようとして、絶句する。今まで、なんの違和感もなかった。故にまるで考慮する事もなかった。だが――なんだあれは。何故、何故あんなもの(・・・・・)が固有結界にある……?

「問三」

 有り得てはならないものだ。有ってはならないものだ。だって、だってそれは――
 アンリ
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