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DQ3 そして現実へ…  (リュカ伝その2)
エルフの里
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その事に気付いた女王はアンに『二度と人間の青年と会う事は許さぬ』と言われ、悲観に暮れてしまった。
しかしアンは、エルフの秘宝を持ち出し、村から出て行ってしまった。

「………質問が一つ」
女王が話し終わるとリュカが手を上げ質問をする。
「何か…?」
「何故、娘の恋路に反対したんですか?」

「人間なんぞ粗野で度し難い生き物!そんな生物との愛など許せる訳がないであろう!」
「それはエルフ族の総意?」
「そうです!エルフ族は人間と違い、同族同士で啀み合い殺し合うなどと言う事はしない!比べものにならぬ程高等な存在です!」

「つまりアンタは、母親であることより、女王である事を選んだ訳だ。見た目美人だが、最低なブスだな!」
リュカは苦々しく言い放ち、唾を吐き捨てた。
「な、何だと…」
エルフの女王は怒りに体を震わせる。

「アンタの娘だって人間という存在については聞いていただろう。それでも人間に恋をしてしまったんだ!だがアンタは、その人間がどういう人物か知ろうともしてない。もし娘の幸せを願うのなら、娘の恋の手助けをしても良かった!『人間』という全てではなく、その『人間の青年』個人の事を調べ、娘を幸せにする事が出来るか確認すれば良かったんだ。反対するのはその後でも間に合う。」
「そ、それは…しかし、人間は多くの残虐行為を行ってきた歴史がある!」

「それは全人類が行った行為ではない!過去の…極めて少数の人々が犯した過ちだ!じゃぁ聞くが…今まさに産まれたばかりの赤ん坊が居るとする。その子は極悪人か!?」
「………いや…違う……だが、何れ悪事を働くかもしれない!」
「じゃぁ、その赤ん坊がこの村に迷い込んだらどうする?殺すか?言っておくが、赤ん坊を村から追い出したらすぐに死ぬぞ。殺したと同じ事だぞ!」
「産まれたばかりの赤子ならば、我らの手で育てる。赤子に罪はない!」

「では、その子が成長しアンタの娘と恋に落ちたらどうする?人間だから反対するか?何れ大悪人になるかもしれないから拒絶するか?」
「我らが育てなのだ!悪事を起こす訳がない!反対などせん!!」
エルフの女王は立ち上がり、リュカをきつく睨み付ける。

「その通りだ!育ってきた環境によって人間は変わる。優しい人に他人には優しくするようにと言われ育ったのなら、他者を傷つける様な事はしない人物になる。その青年だってそうかもしれないだろう!それを調べもしないで決めつけた!エルフの女王という立場だから、娘が人間と仲良くする事を許す訳にいかなかったんだ!アンタは娘より、自分が大切だったんだ!」
リュカの言葉に力無く腰を下ろす女王…

「……貴様に…何が…分かる…」
「分かるさ!僕にも娘が居る。もう嫁いでしまったけど…初めて僕の前に彼氏を連れてきた時は、ぶん殴って
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