エルフの里
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ュカの喉元に剣を這わせ言い放つ。
「あれ?君が女王様?」
隊長エルフの瞳を真っ直ぐ見つめながら話すリュカ。
「ち、違う!み、見れば分かるだろう…女王様はこの奥にいらっしゃる」
リュカに見つめられ、顔を真っ赤にする隊長エルフ。
「僕達、女王様に大切なお話があって来たんだ。お願いだよ、お目通りをさせてくれないかなぁ?個人的には君ともお話をしたいんだけどね…」
喉元に剣が這ってる事を気にもせず、隊長エルフの腰を抱き寄せ瞳を近付ける。
隊長エルフはどうする事も出来ないでいる…剣で喉を切り裂く事も、押しのけて逃げ出す事も、大声で助けを呼ぶ事も…ただリュカの瞳に心を奪われる…一人の女でしかない。
『人間達よ…入室を許可します…』
何処からともなく声が響く。
「………どうぞ…お通り下さい………ただ、女王様に無礼な事はするでないぞ!!」
女王の声を聞いた隊長エルフは、リュカの喉元に這わせてあった剣を放し、通行を促す。
「ありがとう。君、名前は?」
優しく尋ねるリュカ。
「わ、私は…カリーだ…」
思わず答えるカリー…リュカの瞳から目を離す事が出来ないでいる。
「うん。僕は、リュカ。よろしくね」
そう言うと、カリーの頬へ優しくキスをするリュカ。
最早、ただの恋する乙女であるカリーを尻目に、女王の元へと歩み出すアルル達。
カリーはこの先どうなるのだろうか…
アルル達は謁見の間の様な空間に辿り着く。
間の前には玉座に座る美しきエルフが一人…
「貴女が女王様でしょうか?」
「如何にも…私がエルフの女王です。………して、人間…何用で此処まで参った?私達は、人間なんぞとは関わり合いになりたくない!サッサと出て行ってほしいのだが…」
不機嫌な表情の女王は不機嫌な口調で吐き捨てる。
「此処より東に位置する、ノアニールと言う村の呪いを解いて頂きたく、お願いに参りました。」
アルルは可能な限り恭しく嘆願する。
「ならぬ!その村の男は我が娘を誑かし、エルフの秘宝『夢見るルビー』を盗ませた!断じて許す事は出来ぬ!」
「夢見るルビー!?そんな事は一言も言ってなかったな?あのジジイ…」
「あの…私達はノアニールの村人に…難を逃れた村人に頼まれただけなんです…些か情報不足ですので、何が起きたのかをお教え頂けないでしょうか?」
「主等に教えて何になる?娘を連れ戻せるのか?」
「はい。可能な限り尽力致します。」
「………………」
目を瞑り考えるエルフの女王…
「いいでしょう…」
エルフの女王は静かに目を開くと、10年前に起きた出来事を静かに語り出した。
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エルフの女王の娘『アン』は、ある日森に迷い込んだ人間の青年に惚れてしまい、毎日の様に村を抜け出し、人間の青年と逢い引きをする様になる。
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