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人理を守れ、エミヤさん!
謁見だよ士郎くん!
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ールが反応したが、そんなものになど欠片も意識を向けず、最強の槍兵は呪いの朱槍を突きつけた。

「テメェ、よくこのオレの眼前でマスターを侮辱してくれた。滑稽だと宣ったその舌、よほど惜しくねぇと見える」
「ハッ。クランの猛犬が飼い慣らされたか。よもや貴様が騎士を気取るとはな」

 嘲けりではなく、不敵な笑みだ。視線の交わる先で火花を散らす両者に俺は制止の声を掛ける。

「待てランサー。英雄王の物言いに一々目くじらを立てていたら埒が明かん。戦いは任せるが今は俺に任せてくれ」
「……チ、わぁったよ。ただしマスターも腹括ってろ。苦手だからって腰が引けてたんじゃあ、男として少しばかり情けねぇぞ」

 耳に痛い忠言である。確かに俺は英雄王が苦手だった。
 その真実を見通す眼が、こちらの虚飾を剥ぎ取るようで、どうにも正視に耐えない。
 が、そんなことも言っていられない。俺は腹を据える。頭のギアを最大にまで上げた。

 ――ギルガメッシュは俺だけでなく、クー・フーリンの存在も認知している。

 ということは、疑いの余地なく第五次聖杯戦争のことも知っていることになる。
 ギリ、と歯を食い縛って、過去の苦い記憶を一旦忘れた。

「相方が突っかかって悪かった。それでギルガメッシュ。あんたはなんの用でここに来た?」

 知識としては識っている。聖杯問答とやらをしに来たのだろう。しかし第五次の戦いを識っているらしい英雄王が、果たして同様の理由でやって来るだろうか?
 俺の問いに超越者は口許を緩める。嫌に機嫌がいい、嫌な予感しかしない。

カルデアの(・・・・・)マスターよ。言わずとも察しているならわざわざ問いを投げるな。この我に無駄に言の葉を紡がせるは死罪に値する不敬だぞ」
「大体があんたからしたら不敬だろうが。機嫌良いなら見逃せ」

 察しているから嫌になってるというのに。
 ああ、異邦人だと見抜かれているんだろう。加えて何が目的かも察してもいるらしい。その上で、奴は何かを目的に此処へ来た。
 どうやって知ったかなんてこの際どうだっていい。現実問題として奴は冬木の聖杯に纏わる秘密を知っている。聖杯の正体を知っているなら、自身の宝でもない聖杯に興味はない筈だ。
 この時代に受肉していたなら、聖杯の呪いを使って人類を間引こうとするだろうが、霊体である今は歪んでいない素の英雄王である。この時代に干渉する気はないと見ていい。

 なら、王としての裁定を下すのがギルガメッシュだ。そこから推測される目的は――俺を見定めに来た? ついでに俺を弄びに来た、とも言えるかもしれない。

「その通りだ」
「……」

 俺の脳内と会話しないで貰いたい。

「だが貴様を見定める儀は既に済ませてある。故にもう、貴様に下す裁定は一言
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