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人理を守れ、エミヤさん!
因果は回るよ士郎くん!
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 カルデアのアッ君との通信を終える。

 『特異点アンノウン』に挑んでいるネロの進捗状況は、報告によれば今の所微々たるもの。判明したのは地形と時代、地名のみである。
 地形は翼のような形の島。広さは1,700km程度とざっくり測られ、推測になるが世界から切り離される以前の影の国、スカイ島と思われるようだ。
 時間軸は神秘の濃さからして神代、紀元前一世紀から一世紀。スカイ島には様々な神代の怪物で溢れているらしく、エミヤ、アタランテ、アルトリアの三人でも思うように拠点とした場所から離れられず、釘付けにされているらしい。

 敵が何で、何が特異点化の原因なのか、それは全くの不明で。先程堕ちた神霊と交戦したらしく、ゴジラ並みに巨大な『波濤の獣』と神霊の怪獣大決戦に巻き込まれ、エミヤとアルトリアが宝具を連発したものだから魔力負担が大きく、ネロに泣きが入ってきたようだ。
 正直ネロで泣きが入るなら、更に魔力の少ない俺なら枯渇して死んでいたかもしれない。戦力の振り分けは正解だったらしい。
 歩く投影宝庫エミヤは早速酷使され疲弊し、アルトリアも先行きの暗い状況に険しい顔を崩さない。カルデアのアッ君はアサシンの衛宮、略して殺宮の派遣を決定し、アタランテに拠点付近の索敵を。殺宮に極めて広範囲の索敵を指示したとのこと。

 現在、殺宮は休憩を一つも挟まず機械のように淡々と調査を進めつつ、既に二回溶けたらしいが、その度にカルデアで霊基復元され調査に回されているようだ。
 殺宮に不満はなく、霊基の損傷も気にせずに淡々と調査を続行し、もう少しで何かを掴めそうだという。流石の手腕だが――もう少し、こう、なんだ。俺の言えたことではないかもしれないが、鉄のアグラヴェインは中々にブラック上司の資質が見られた。
 俺でも引くほどの酷使である。合理的だが、ぶっちゃけやりすぎだ。オルタリアすら少し距離を置くとか相当だと思う。円卓から誤解されまくってたというが、残念ながら当然だった。

 俺はとりあえず、殺宮を使い潰すことは禁じておいた。流石にそんなことはしないと思いたいが、念のため。

「――あー。その、なんだ。なんか師匠が迷惑掛けてそうですまねぇな」

 クー・フーリンが気まずそうに言った。いやまあ、言わんとしていることは分かる。
 影の国が特異点化しているとなれば、元凶は十中八九、影の国の門番にして女王だろう。少なくとも有力な容疑者とはなり得る。身内から敵が出ても容赦なく始末するクー・フーリンだが、流石に申し訳ないとは思うらしかった。

「俺に謝られても困る。まあこれで、特異点化の原因候補として『死の世界である影の国がスカイ島から剥がれ落ちず、世界の裏側に流れなかった』ことが考えられるな。死の世界の位相がズレるのが一年遅れるだけで、そ
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