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人理を守れ、エミヤさん!
青天の霹靂だね士郎くん!
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傍らのランサーに言う。

「すまんなランサー。遊べなくなった。序盤はだらりと流すことにしていたが、きちっと行くぞ」
「オレはどっちでもいいぜ。お前のやる気次第だ。で、やんのかマスター?」
「ああ。アルトリア(・・・・・)には此処で倒れて貰う」

「なっ!?」

 さらりと口にされた真名に、アイリスフィールとアルトリアが驚愕する。
 まだ戦ってすらいない、言葉を二、三回交わしただけだ。宝具も見せてないのに、いきなり真名が露見するなど有り得ない。
 どういうことなのか。問い質す間も置かず、士郎は躊躇うことなく令呪を切った。

「 ――令呪起動(セット)。システム作動。ランサー、全力でセイバーを打倒しろ」
「了解だ」

 応じるや否や、士郎の前にクー・フーリンが進み出る。アルトリアは警戒して身構えるも、肌に感じる武威と、命令が下るや激流の如くに発された魔力に冷や汗が流れた。
 アイリスフィールをマスターにしたアルトリアのステータスは高い。にも関わらず、槍兵を視界の中心に置くだけで背筋が粟立った。

 蒼い槍兵。真紅の槍と、瞳。

 飄々としていた顔に、凄まじき殺気が点る。まるで鎖から解き放たれた番犬。主人の命令に忠実な、まさに『サーヴァント』。

「そういうわけだ。今回は前みてぇに面倒な縛りは無い。加減無しで――殺してやるよ」

 アルトリアとアイリスフィールには意味の分からない宣言と共に。

 光の御子が、牙を剥いた。

















 ――初撃を躱せたのは注視していたからだ。

 超常の存在であるサーヴァントにとっては、一呼吸分でしかない彼我の間合い。
 それでも戦いの呼吸を知るなら充分に余裕のある距離だ。
 距離を詰めるには、魔術師でない以上は二本の脚を使うしかない。その際に、戦いとなれば腰を落とし、脚を曲げ、地面を蹴らねばならないだろう。
 接近する間のインターバル、得物の振るいはじめから移動地点の確保。工程を数え上げればキリがない。故にざっくり纏めて六の工程がある。

 セイバーは、それを目で見ていた。

 断言できる。気の緩みはなかった。油断もしていなかった。蒼い槍兵の挙動を見極めんとした。
 だが、その動きのほとんどが。常勝の騎士王をして見えなかった(・・・・・・)のだ。

「――ッッッ!?」

 地面を蹴るまでは見えていた。しかし地面を弾けさせてからは目視すら能わなかった。
 移動距離。己にとり都合の良い位置取り。セイバーが知覚できたのは、背後に回り込んできた槍兵が、槍を片腕で突き出さんとした気配。
 瞬時に地面に身を投げ出して回避した。視界で捉えようとは思えない。目で視て動いたのでは間に合わないと一瞬で判
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