青天の霹靂だね士郎くん!
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ここにきて別の可能性が浮上する。なぜここが特異点化したのか。なんらかの差異があるのは当然で、であれば――衛宮切嗣がアインツベルンに属していない。正確にはセイバーのサーヴァントのマスターではない可能性がある。
「(えっ。切嗣のいない第四次聖杯戦争とか、炭酸の抜けたサイダーのようなものだぞ)」
真剣にそう思う。いや油断、慢心が過ぎるだろうか。いやいやと士郎は思う。
じゃあ、難題は言峰と英雄王だけ? 本当にか? 仮にアイリスフィールのスペックを最高傑作のイリヤスフィールと同等と仮定しても、戦闘用ホムンクルスでないのなら倒すのは容易い。極論アルトリアをクー・フーリンに抑えて貰えば、十分も掛けずにアイリスフィールを無力化出来る。
他のマスターは遠坂に間桐。
数合わせと、言峰。
……。
…………。
「……」
あれ? 本格的に英雄王にだけ意識を向けてもいい気がしてきた。士郎は慢心が過ぎるかなと自問し改めて考える。
間桐。その魔術特性は研究し尽くした。
遠坂。凛以上ということはない宝石魔術。
エルメロイは抜いて。
アインツベルンの特性も良く良く理解済み。
数合わせ……いないとは言い切れないにしても時計塔の――若き日のロード=エルメロイ二世がいるのだったか。彼は指導者としては有能故に警戒はすべき。現時点での能力は未知数。
士郎。言うに及ばず。
言峰。現時点でのサーヴァントは不明。
「んんんぅ?」
士郎。言峰。アインツベルン。遠坂。間桐。若き日のエルメロイ二世。
「……」
ピックアップするに、どう考えても言峰と英雄王だけが抜きん出て危険なだけ。
それにつけても切嗣がいないと仮定しただけで難易度が半減どころの騒ぎではない。
いや、頭からいないと決めつけるのは良くないか。例えば遠坂なり間桐なりに雇われていたとか。アインツベルンが脱落した際のスペアとしているとか。令呪が手に入らなかったので、アインツベルンを襲ってアルトリアのマスター権を奪ったとか。考えられるパターンは無数にある。
そう考えると、戦略も変わる。
元々アインツベルンだけは聖杯の降臨する器ということもあり、最後まで生かすつもりではいた。しかしアインツベルンからアルトリアが切嗣に奪われるとすると、とんでもないことになる。
切嗣の指揮に従うアルトリア。……最悪だ。その場合の信頼関係は最悪だろうが、割り切るところは割り切れるだろう。聖杯奪取という目的のため、冷徹に徹することもありうる。
臨機応変に戦術は変えようと思っていたが事情が変わった。
切嗣。いてもいなくても不気味だ。いや寧ろはっきり"いる"と分かっていた方がまだしもマシだったろう。士郎は嘆息して
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