睦まじきかな、盾の少女
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ォウは、肩から飛び降りて忙しなく駆け去っていく。マシュを呼びに行くのだろう。
俺のマイルームには冷蔵庫などの設備があるので、別に食堂にとって返す必要もない。小さな獣が駆ける様を微笑ましげに見送る。と、曲がり角の手前で急にフォウが立ち止まった。
「どうした?」
声を掛けると、静かにしろとでも言うように視線を向けてくる。
訝しげに眉を顰め、俺はフォウの止まった角から顔を出すと、そこにはマシュがいて、そしてアサシンのサーヴァントである切嗣がいた。
意外な組み合わせである。
切嗣はマシュを除き最初に召喚したサーヴァントで、その実力に大きな信頼を寄せている。だが他のサーヴァントとの相性を考慮してか、彼がコミュニケーションを取っている所を見たことがないのが懸念材料となっていた。
そんな彼が、マシュと話しているのは本当に意外で、だからこそフォウも驚いたように立ち止まったのだろう。
何を話しているのか、無粋ながら耳を傾けてみるも声はしない。怪訝に思い目を凝らすと、切嗣とマシュはハンドサインで会話していた。
「ああ……」
そういえば、特異点Fか第一特異点のどちらかで、マシュが切嗣と俺がハンドサインでやり取りしているのを見て、自分もハンドサインを覚えたいと言っていたのを思い出した。
自分にではなく、切嗣に教わっているのは何故か。それは切嗣と親しくなって信頼関係を構築する意味もあるのだろうが――
「……」
一番の意味を察して、俺は苦笑して踵を返した。
見なかったことにする。少女の影の努力を指摘するような無粋を、俺はする気がなかった。
マシュの学習意欲と頭の回転、記憶力からすると僅かな学習のみでハンドサインをマスターしてしまえるだろう。ここまでに何度か学んでいた証として、今ちらりと見た感じだと殆ど詰まることなくやり取りが成立していたように思う。
ゆっくりとお茶とフォウのミルクを用意し、林檎や葡萄などを小皿に盛って時を空けていると、控え目にノックと共に声がした。
『先輩、入室の許可を』
マシュの声だ。心なし、溌剌とした声音に苦笑して招き入れる。
サーヴァントとマスターは一心同体だ。主従であり、戦友であり、兄妹であり、変な意味ではなく恋人のようでもある。
命運を同期させるとはそういうことだ。またそうでない者にどうして命を預けることが出来るというのか。当然の心構えであり、そうでなくても俺はマシュを妹のように可愛がっていた。
ぷしゅ、と空気の抜ける音と共に扉がスライドし、淡い色彩の少女が入室してきた。
「マシュ。前にも勝手に入っていいって言ったろう? 俺の部屋はマシュの部屋でもあるんだから」
「ぁ、は、はい」
「ふぉうふぉーう!」
マシュの肩から飛び
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