幕間の物語「いつかどこかの時間軸」3
人理守護戦隊衛宮
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現れた人影は、逞しい男性の姿を象っていく。
ああ、アルトリアじゃなくて円卓の騎士か。ランスロットはダメだ。ガウェインかこの前アルトリアの言っていたアグラヴェインがいい。特にアグラヴェインとか今のカルデアに必要な人材である。
あ、アルトリアを連れてくればよかった、と思う。明日はアルトリアを連れてこようと決めて、俺は光の中に声をかけた。
「よく来てくれた。カルデアは召喚に応じてくれたサーヴァントを歓迎する」
儀礼的にそう告げる。
「俺は衛宮士郎。こっちはマシュ・キリエライト。よければそちらの真名とクラスを教えてくれ」
「……」
答えはない。重苦しい空気だった。
ん? と首を傾げる。そういえばこのシルエット、どこかで見たような……。
光が失せる。視界が安定する。そうして徐々に明瞭となっていく視界の中。まず目に映ったのは逆立った白い髪と浅黒い肌。赤い外套だった。
「……」
「……」
絶句、した。
マシュもまた、絶句していた。
サーヴァントも、絶句していた。
「……」
……。
暫し、沈黙したまま向き合い。
赤い外套の弓兵は、なんとも複雑そうに名乗るのだった。
「……アーチャーのサーヴァント、召喚に応じる気はなかったが、気づいたら此処にいた。強引にオレを呼びつけるとは、物好きにも程があるな?」
「……」
新たに二騎か三騎召喚する内の、記念すべき一騎目に。
なんの因果か、よくよく縁のある男を引き当ててしまった。
誤魔化しようがない。俺は遠くを見た。神様って奴はほんと良い趣味してるなぁ、なんて。不覚にも、現実から逃避してしまった。
そう。
英霊召喚サークルの中心には、
あの、
英霊エミヤがいたのだ。
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