第二章
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「学び己を鍛えつつな」
「そうされるべきです」
「今は」
「そうされて下さい」
側近達もこう答えた、そしてだった。
トトメス三世は政治特に軍と戦のことを学び武芸にも励んだ、雄々しく精悍な気質の彼は軍が好きで幸いにしてそちらの才もあった、だが。
ハトシェプストは他の国との和を主に考え戦は好まなかった、内の政を主に行い国を富ませることを第一としていた。
それでだ、トトメス三世はまた言った。
「もう他の国に勝てるのだ」
「むしろうって出ねばですね」
「カデシュ達が勢力を伸ばしています」
「彼等を討っておかねば手がつけられなくなります」
「エジプトにも入るかも知れません」
「そうなのですが」
「義母上は戦を好まれぬ、血が流れ多くの富が失われることを好まれぬ」
だから戦をしたがらない、トトメス三世はハトシェプストのこの考えも察していた。その為彼女に余計に反発を感じていた。
それでだ、彼は言うのだった。
「富はまた得られる、そして血もだ」
「流すべき時に流さねば」
「後でより多くの血が流れてしまいます」
「だからこそですね」
「ここで討つべきですね」
「そうすべきなのだ」
これがトトメス三世の考えだった、しかし。
ハトシェプストは動かない、それどころか彼の首根っこを抑え続けもう一人のファラオとして国を共に治めるどころか。
自分がエジプトの主となって治めていた、トトメス三世に政をさせずほぼ彼女が治めていた。
その政は続いていた、だがトトメス三世の側近達が言った通りのことになった。
ハトシェプストは病に倒れそのまま世を去った、こうしてトトメス三世だけがエジプトのファラオトなったが。
彼は義母であった彼女が世を去るとすぐにだった、彼の側近達に言った。
「まずしなければならないことがある」
「それは何でしょうか」
「カデシュ等への備えでしょうか」
「軍を出しますか」
「シナイから東に向けますか」
「いや、それはその次に行う」
最初にしなければならないことの後でとだ、トトメス三世はファラオの座から答えた。その隣には空席があるが。
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