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適量
第一章
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帝であるヨーゼフ二世はその色白で面長そして高い鼻とやや下に突き出た顎というハプスブルク家独特の特徴も見られる整った顔で宮廷の者達にこんなことを言った。
「イタリア語の音楽、歌劇があるが」
「というか音楽や歌劇はイタリアでは」
「何といっても」
「あの半島のものです」
「そう言うが神聖ローマ帝国人の音楽家もいる」
 このことを言うのだった。
「そうだね」
「それはそうですが」
「ですが主流ではありません」
「主流はやはりイタリア人です」
「そのことは変わらないです」
「今のところはね。神聖ローマ帝国人の音楽家が増えて」 
 そしてと言うのだった。
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