033話 日常編 士郎としての過去と仮契約
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になった瞬間だった。
「この世界ではシホ様は衛宮切嗣の実の息子ではないのですか…?」
《ええ。私は本当の両親の顔を一切覚えていないのよ。》
『そうか、よかった。なら早く身支度を済ませよう。新しい家に、一日も早く慣れなくちゃいけないからね』
切嗣は士郎の荷物をまとめ始めながらも、
『おっと、大切なコトを一つ言い忘れていた。うちに来る前に、一つだけ教えなくちゃいけないことがある。』
『なんだ…?』
『うん、はじめに言っておくとね、僕は魔法使いなんだ』
それから二人ででかい武家屋敷に住むようになり切嗣は士郎が料理家事洗濯が出来て一人でも暮らしていけるようになると何度も海外に出て行くことが多くなった。
士郎はなぜ出て行くのか分からなかったが帰ってくるたびに聞く土産話を楽しみにしていた。
《…思えば切嗣は何度も迎えにいこうとしていたんだと思う》
「誰をだ?」
《私の義理の姉・イリヤを…》
そして必死に魔術というものを教えてくれと言って教えてもらいながらも五年の月日が過ぎ、ある綺麗な月夜の事。
士郎と切嗣は縁側にいた。
切嗣の姿はやつれて見るからに衰えている。
おそらく死期を悟っていたのだろう。
士郎にあることを伝える。
『子供の頃、僕は正義の味方に憧れていた』
『なんだよそれ。憧れてたって、諦めたのかよ』
『うん、残念ながらね、ヒーローは期間限定で大人になると名乗るのが難しくなるんだ。そんなこと、もっと早くに気が付けばよかった』
『そっか、それじゃしょうがないな』
『そうだね、本当に、しょうがない』
『うん、しょうがないから俺が代わりになってやるよ』
そこで切嗣は驚きの顔をした。
『爺さんは大人だからもう無理だけど、俺なら大丈夫だろ、任せろって、爺さんの夢は俺が―――…』
『そうか。ああ…安心した』
そして切嗣は眠るように息をひきとる。
それが切嗣の最後だった。
それから上達しない魔術を何度も繰り返しながらも人助けを続けて高校生二年に成長していた。
「シホ様…衛宮切嗣はシホ様に間違った鍛錬の仕方を教えていたのですね?」
《ええ。それは師匠に指摘された。私は何度も一から魔術回路を作るものだと思っていたからね》
そしてある夜、士郎は目撃する。
ありえない者達の戦いを。
一人は青い軽鎧に赤い槍を持った男と、赤い外套に褐色肌白髪で黒白の中華刀、干将・莫耶を振るう男の戦いを。
「あれは…私と同じサーヴァント」
《そう。聖杯戦争の戦いを私は偶然目撃してしまったの》
「赤い男のほうはお前の武器を使っているな。なにか関係があるのか?」
《まぁ、ね…》
記憶の中の士郎はすぐに逃げ
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