032話 日常編 悪魔襲撃(後編)
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シュバインオーグ』という名前、『全てを救う正義の味方』ではなく新しく芽生えた『大切な人達を守る正義の味方』という新たな理想。
―――大師父の魔法による世界との別離。
まるで濁流のように失われていた記憶が思い出されていく。
(ああ―――………どうして今までこんな大事な事を忘れていたんだろう私は…)
シホはすべてを思い出した。
それで心が満ちていく衝動にかられていた。
視線の先では結界内に巻き込まれたのだろうエヴァ達がいた。
「…む? 巻き込まれたか」
「そのようですね、マスター」
「これは壮観な景色でござるなー」
シホは笑みを浮かべながら、
「エヴァ…無くしていた記憶、すべて思い出したよ」
「そうか! それはよかったな!」
…そして視線を前に戻すと控えていたのだろう悪魔とシホのデットコピーどもがすべて巻き込まれていた残りは約200体くらいだろう。
「ク、クク…なんだね、この世界は? 私は聞いていない…」
「狂っているところ悪いが…この世界は私の心象を外界に反転し映し出した世界…固有結界『無限の剣製』よ」
「そんな魔法は聞いたことがない…! ありえないありえないありえないぃぃぃ!!」
「驚くことはない。これらはすべて贋作だ。本物と比べれば取るに足らない存在だろう」
ネギ達はシホの言葉に今一度剣達を見て思う。―――これらがすべて贋作? 真偽つけられるものなのか?と。
シホが右腕を掲げれば刺さっている剣達が主の願いを聞き届けたかのように地面から抜け浮かび上がる。
「我が愛しの吸血姫…あなたは何者なのですか!!?」
「この世界の主、『剣製の魔法使い』…いや『錬鉄の魔術使い』シホ・E・シュバインオーグ!」
シホの叫びに呼応して浮かび上がるすべての剣の剣先が悪魔とデットコピーの軍勢へと向けられる。
「さて、名の知らない悪魔。貴様が挑むのは無限の剣。剣戟の極地。恐れずしてかかってきなさい!!」
そこからは様々な剣の応酬がデットコピーどもをすべて斬り、裂き、焼き、貫いていく。
数の暴力という表現も当てはまらない圧倒的な蹂躙劇。
観客はネギとその仲間達にエヴァ達一行。
デットコピーはすべて滅ぼされ、後は悪魔一人だけ。致命傷になるものだけ避けて辛うじて命を繋いでいた。
だがシホはもう手加減しない事に決めている。
手に弓とある黒い牙のような剣を手に持ち、
「赤原を駆けろ! 赤原猟犬!!」
放たれた赤き魔弾は悪魔へと一直線にかけていき悪魔は必死に回避を試みるがまるで生きているかのように急旋回をしては追い続ける。その姿はまさに猟犬にふさわしい。
そしてついに魔弾は男の腹に食らいついた。
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