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吸血鬼になったエミヤ
030話 日常編 語られるネギの過去
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ナは黙るしか出来ないでいた。




◆◇―――――――――◇◆




また場所は変わり同時刻。
那波千鶴と村上夏美は黒い犬を拾って部屋で怪我の手当てをしていたら犬の姿がなく、いつの間にか裸の男の子の姿があって困惑していた。

「あらあら…」
「な、何で男の子が…」
「さっきのワンちゃんがこの子になっちゃたのかしらねぇ?」
「まさかー…でもどうするちづ姉?」
「まって…」

千鶴は男の子の額に触った。

「まあ大変、スゴイ熱よ?」

それでお医者さんに電話する話になり千鶴が電話をかけようとした途端、受話器は男の子が投げたスプーンを投げつけ割り近くにいた夏美を押さえつけて、

「…やめろ、誰にも連絡するんやない」
「あ、あの! あなた誰…? 一体何の…」
「黙れ!」
「うひゃいっ!?」

男の子は夏美の首に爪を突きつけて黙らした。

「そ……そこの姉ちゃん、何か……俺が着るものと食い物を持ってきてくれ」

千鶴は少し黙り込んで口を開いた。

「あなた……名前は? どこから来たの? 教えてくれないかしら? 私達が何か協力できるかもしれないわ」

怯えのない声で千鶴は話しかける。それはいつも保育園で子供と相手をしているが故の一種の慣れなのだろう。

「な、何やて……名前……? 俺の名前? ……あれ、誰やったっけ俺……? 違う。俺、あいつに会わな……」
「『あいつ』って誰かしら?」
「!? ち、近寄るなっ!」

男の子はそのままの勢いで千鶴の肩を切るが、だが千鶴は気にせずその胸に包み込み、

「……ダメよ、そんなに動いては、また倒れてしまうわ。40度近くも熱があるのよあなた」
「え……ぅあ……?」
「ね? 腕の傷の手当てもしなくちゃ」

まるで母親のように男の子を落ち着かせてしまい、男の子は気が抜けたのか気絶してしまった。

「ど、どどどうしたの?」
「大丈夫。また気を失っただけみたいよ」
「うーん…さっすがちず姉! 保母さんを目指してるだけあるね」
「毎日ボランティアで学園の悪ガキを相手にしてますので」
「でも、ホントに何なんだろうねこの子…?」
「ただの家出少年じゃないことは確かね」
「って、きゃあああ〜〜〜!? ちづ姉、血!! 血!!!」
「あら大変ね」

最後まで千鶴はマイペースに事を進めているのだった。




◆◇―――――――――◇◆




しばらく騒いで時間は夕暮れ時、シホと茶々丸が調理した料理を一同が食べている中、夕映がエヴァに、

「私に魔法を教えてくれませんか?」
「何…? 魔法を?」
「はいです」
「めんどくさい。向こうに先生がいるんだからそっちに教えてもらえ」
「そうですか…」
「夕
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