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吸血鬼になったエミヤ
029話 日常編 シホとタマモの一日 IN 冬木
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…それで記憶は思い出せそうかい?」
「いえ、後…後なにか切欠があれば思い出せると思うんですけど…」
「…そうか。そうだ、シホさんにアヤメさん、今晩はウチに泊まっていったらどうかな?」
「いいんですか…?」
「うん。もしかしたら君は僕達の並行世界の子供かもしれないんだろう? だから気にせず泊まっていきなさい」
「私も賛成よ。シホさん、そしてアヤメさん、今日は歓迎するわ」
「ありがとうございます」
「お言葉に甘えさせてもらいますー」

その晩は衛宮家族にシホ、アヤメが加わり料理も一緒に作ったりして楽しんだ。
その間、もっぱら料理を担当している士郎はシホの料理の腕を知り、「師匠と呼んでもいいですか?」と言われ困ったり、イリヤから魔法を見せてとごねられて投影魔術を見せたり、それを見て切嗣が士郎にはそんな能力があるのか…と感心されたり、アイリには士郎程でもないけど料理を教えてと懇願されそうになったりと色々な事があった。
そして翌朝の事、

「それじゃシホさん。何かあったら連絡してくれ。いつでも歓迎するから」
「また一緒に料理を作りましょうね」
「はい。それと…」

シホは宝石剣レプリカ(ミニ)を四人分投影して切嗣に渡した。

「これは…?」
「あなた達になにか危険が迫った時、それに魔力を通して私を呼んでください。それを持っていれば魔法世界でない限りは転移魔術で飛んでいきますので。まだ刺客とかに狙われる事はあるんでしょう?」
「はは…それじゃその時は頼りにさせてもらうよ」
「はい。これでも『剣製の魔法使い』と二つ名で呼ばれていますからきっと頼りになります」
「頼もしいね。うん、その時はきっとね」
「それじゃ…名残惜しいですが…」
「もう大丈夫ですか? シホ様?」
「ええ、タマモ」
「お邪魔しました。またどこかで…そうだ! 麻帆良学園で六月に麻帆良祭がありますのでぜひ見にきてください。私も歓迎します」
「そうですねー。楽しいイベントが目白押しだそうですから是非来てください」
「わかったよ。それじゃその時には案内でも頼もうかな?」
「そうね、切嗣」
「はい。待っています。それじゃ今度こそ失礼します」

シホ達は握手を交わして衛宮邸を後にしたのだった。

「それでシホ様、記憶の手掛かりは掴めましたか?」
「うん、思い出すまでには至らなかったけど、だけど…いい家族に出会えたわ」
「そうですか。それなら私も安心です。でもいつか…ですね」
「そうね、思い出せるといいわね…」

シホはそう思った。
しかし帰りにエヴァへのお土産はどうしようとなって。
それなら「お酒はどうでしょう?」というタマモの提案に「そうね」と相槌を打って『コペンハーゲン』という酒屋で高級そうなワインを一本購入した。
その際にも頭
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