029話 日常編 シホとタマモの一日 IN 冬木
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ヤと士郎の二人の子供がいるんだよ」
その時、ちょうどよくドタドタと玄関のほうから足音が聞こえてきた。
「お母様、ただいまー」
「今帰ったよ、父さんに母さん!」
「おっと、噂をすればだ」
二人の子供が居間までやってきて二人の姿を見た途端、シホはまたもや頭痛に襲われた。
「くぅ…!」
「大丈夫、シホさん!?」
「…え、ええ。大丈夫です。それよりもしかして銀髪赤眼の女の子がイリヤちゃんで赤髪赤眼の男の子が士郎君ですか?」
「ええ、そうです」
「お母様にそっくり…」
「ああ、びっくりだ…」
「二人とも。この人達はシホ・E・シュバインオーグさんと玉藻アヤメさんだ」
「あ、私は衛宮イリヤスフィールです」
「俺は弟の衛宮士郎です」
「よろしくね」
二人の頭を撫でながらもシホは笑みを浮かべていたが、
「…シホお姉さん、どうして泣いているの?」
「え…私、泣いている?」
「はい、シホ様。いまお拭きしますね」
タマモがすかさずハンカチでシホの涙を拭う。
それで気恥ずかしくなったシホは強引に手で涙をふき取った。
その光景を切嗣とアイリはなにか感じ取ったのか笑わずに見守っていた。
その後、二人は自分の部屋にいっていなさいと言われて部屋を出て行った。
「恥ずかしいところを見せてすみませんでした…」
「いや、気にしていないからいいよ」
「ええ、だからシホさんもそんなに顔を赤くしないでね」
「はい…それでですが、お二人にはある手紙を見てほしいんです」
「手紙…?」
「この世界では見せるのは極わずかの人だけですので、読んだ後どうして私がこの町を訪ねてきたのか分かると思います」
タマモから手紙を受け取り二人にそれを見せた。
そして読んでいくうちに二人の表情が驚愕に染まっていく。
読み終わるとアイリがわなわなと体を震わせながら、
「そ、それじゃ、あなたはもしかして並行世界のイリヤの体に宿った士郎の姿、ということなの?」
「…そうだと、私は思っています。私の無き記憶の手掛かりの一つがその手紙ですから」
「そうかい…でも正義の味方を目指していたのか」
「はい。おぼろげですがそれを志して世界の戦場を駆け回っていたと思います」
「まるで昔の僕みたいじゃないか…それじゃやっぱり聞くのもあれだけど、十を救うために一を切り捨てる選択をしていたのかい?」
「おそらくですが…でも私は全てを救おうとがむしゃらになっていたんだと思います」
「君の過去になにがあったのかはまだ知る由も無いけど、この道は継がせたくないと思っていたけど並行世界では継いでしまっているんだね…」
切嗣は苦虫を噛み潰したような表情になっていた。
それでシホは申し訳ない気持ちになっていた。
「うん、事情は分かったよ。
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