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吸血鬼になったエミヤ
029話 日常編 シホとタマモの一日 IN 冬木
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ば私達が知らないのも頷けます。でしたらあなたの名前の中に“エミヤ”がありますね」
「ええ、ついているわ」
「でしたら…」

時臣はメモを取り出してある住所を書き始めた。
しばらくして書き終わると紙を渡される。

「そこの住所の場所にある武家屋敷を訪ねてみるといいでしょう。君の容姿といいある人物にそっくりですからね」
「は、はぁ…」
「私が提供できる情報はここまでです。お力になれず申し訳ありません」
「いえ、この町を周る許可を頂くだけで十分です。ありがとうございます」

それからもう少し話を交わした後、シホ達は出て行こうとしていたが凛に呼び止められた。
それでどうしたのかと思ったが、

「また遊びに来てください。歓迎します」
「ええ、ありがと。凛ちゃん」

シホは笑顔を浮かべて凛の頭を撫でてあげた。

「それじゃまたね」
「遊びに来ますねー」

私とタマモは遠坂邸を今度こそ後にするのだった。

「いかがでしたか? お目当ての一つである遠坂と会った感想は」
「うん。少し見えてきたものがあったわ。時臣さんとはそんなに接点はなさそうだけど、凛ちゃんにはなにか感じるものがあったわ」
「そうですか。思い出せたらいいですね」
「ええ。それじゃその武家屋敷に向かうとしましょうか」
「はいです♪」




◆◇―――――――――◇◆




そしてシホとタマモは武家屋敷の前までやってきた。

「…なんだろう。とても懐かしいというかなんというか…」
「これはもしかしたらシホ様の記憶に関係するお屋敷でしょうか!?」
「わからないわね。とりあえず入ってみましょう」

二人が屋敷の門を潜った瞬間、

「…ッ!」
「シホ様はお下がりください!」

タマモがお札を構えて呪層・黒天洞を展開する。
遅れて衝撃が伝わってきた。
なにかを確認するとそれは銃弾だった。

「…君達はなにものかな? 僕の家に入ってくる気配が二人とも人間じゃない…僕達を狙った刺客かな?」
「何のことか分かりませんけど突然発砲するなんて物騒なお方ですねー! 呪いをかけますよ!?」

タマモが激昂しながらも扉の前にいるぼさぼさの髪で銃を構えた男性を威嚇する。
その男性を見た途端、シホは頭痛に襲われた。

「くっ…!? あなたは誰ですか!?」
「僕かい? 調べてきたわけではないのかい?」
「私達は遠坂時臣さんに行ってみなさいといわれて来ただけです。刺客とかそんなのではないわ!」
「えっ!? 遠坂が僕の家を紹介したのかい!?」

そこで男性は「しまった」といった感じの顔になり、銃をしまうと頭をかきながら、

「すまなかったね。つい僕達を付け狙った刺客かと思ったんでね」
「それでもいきなり発砲は
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