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吸血鬼になったエミヤ
029話 日常編 シホとタマモの一日 IN 冬木
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に触れたようで多分あっちも気づいたと思うから」
「はいです」

そうして二人は冬木大橋を渡って深山町へと入る。
それから何度か道を聞いては遠坂の家を目指すがいざ着いたとなると、なんというのだろうか。

「…なんていうか、威圧感と拒絶感が漂うお屋敷といった雰囲気ね。坂の上には魔女が住んでいるとかいうのを耳に挟んだけど割りと当たっているかも…」
「そうですね。霊脈もかなり流れている上に家が建てられていますから魔術師が住まうには上等の場所でしょう。あ、でもこの世界では魔術師はシホ様だけでしたね」
「そうね。でもいつまでこうしていてもしょうがないから入らせてもらいますか」

シホが呼び鈴を鳴らすと「はーい」という小さい女の子の声が聞こえてきて扉が開けられる。
そこにはツインテールの黒髪の女の子が出てきた。小学生くらいだろう。
しかしそこで見覚えがあるような気がしてシホは言葉を一時止める。

「? どちら様ですか?」

しかし気づかなかったのか少女は普通に接客をしてくる。シホは一息つきながら、

「えっと、こちらの遠坂時臣氏に用があって来たんだけど今は大丈夫かな?」
「はい。お父様なら今書斎にいますから呼んできますね」

少女は静かに家の中を歩いていき『お父様! お客様ですよ』と声を出して呼んでいた。
しばらくして奥から優雅に手を後ろで組みながら歩いてくる男性。
タマモはそれを見て内心で(私の苦手そうなキャラですね〜)とか思っていた。

「ようこそ。近衛近右衛門殿から話は聞いております。私は遠坂時臣。この町をおさめる遠坂家の現当主です」
「ご丁寧にどうも。私はシホ・E・シュバインオーグ。そしてこちらは私の従者の玉藻アヤメです」
「どーも」
「ここではなんでしょう。客間のほうへ移動しましょう。案内します」

二人は案内されていると扉の隙間から先ほどの少女ともう一人、大人しそうな少女がいて目が合った。

「…あ、さっきはありがとね。えっとお名前を聞いてもいいかな?」
「私は遠坂凛です」
「わ、私は妹の遠坂桜です」
「そう、凛ちゃんに桜ちゃんね。いい名前ね」
「「ありがとうございます…」」
「こら、凛に桜。お父さんは今からこの方と大事な話があるから葵の所へいっていなさい」
「「はい、お父様」」

二人は葵という人物…おそらく母親だろう人の場所へと走っていった。

「二人は魔法使いですか…?」
「ええ。今は自宅で学ばせていますが、時期が来ましたら魔法学校へと通わせようと思っています」
「そうですか」
「ちなみに一つお聞きしておきたいのですが、近右衛門殿から詳しくは聞きませんでしたがあなたは二十年前に消えたという旧赤き翼の『剣製の魔法使い』殿ですかな?」
「! やはり気づきましたか」

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