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吸血鬼になったエミヤ
027話 日常編 弟子入りテストと覚悟
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い。邪魔立てするというなら私はお前達を止めるぞ?」
「エヴァンジェリンに賛成ですねー。だから大人しく見ていてくださいな♪」

タマモもアスナ達の前に立って呪符を何枚も出して牽制している。

「話は戻ります。英雄というものは褒め称えられるものです。でも、それと同時に敵を多く作る。
私がナギと行動を共にしていた時代にも多くの刺客に狙われたものです。
そしてネギ先生の話では生きているというナギですが、事実はどうあれ公式では行方不明、死亡扱いとなっている。
ナギが今まで残してきたものは…、正確に言えばナギに倒されて生き残った敵やその家族の意思は、その因果は………さて、どこにいくのでしょうね?」
「そ、れは…」

正直に言わないがシホの言葉は「お前に襲い掛かってくる」と言っているのも当然の台詞だった。
ネギはもう反論も出来ずにただじっとシホの棘のある言葉を耐えている。だが限界も近い。
そしてシホはその手に再度干将・莫耶を投影し、殺気の濃度をさらに高める。

「ネギ先生…いつかあなたの前に強大な敵が立ち塞がったとします。それらはなにがなんでも倒さなければいけない相手。
でなければ殺されるのはあなたとその仲間達です。
…聞きます。その時になったとしてあなたは―――…」

シュッ!

離れていた間合いを一瞬でゼロにして白と黒の刃がネギの首に晒される。

「あっけなく死を選びますか? それとも、なにがなんでも生きる事を諦めずに足掻き続けますか?」
「う、あ…ぼ、僕は…僕は!!」
「さぁ、ネギ先生…」

瞬間、ネギの頭にはあの冬の景色が流れ出した。
蹂躙された村、次々と石化された村人、自身を守り石化された老人、足が砕けてしまった姉、最後に何も出来ずに泣いていた自分。
そこでネギの思考は急激に暴走して、気づいたときには、

ズダンッ!

なにかを貫く音が辺りに響いた。
ネギが正気を取り戻した時には、アスナ達が悲鳴を上げていた。
なぜ? 答えは簡単だ。
ネギの拳はシホの胸に深く突き刺さってそこから血が流れ出していたのだから。

「あ、あ…ぼ、僕はなんてことを!?」
「…大丈夫です、ネギ先生…」

ネギの手をシホは優しく握り、そっと胸から離すと胸の傷はたちまちに修復・復元していった。

「私は、不死です。だからこの程度ならすぐに復元します…だから気に病まないでください」
「でも、僕は…」
「魔力の暴走を起こしていたとはいえ、私の数々の言葉にも屈せず最後には自ら自身の道を諦めずに私に一撃を入れたのですよ? その心、覚悟、しかと受け止めさせてもらいました」

気づけば先ほどまでの殺気は消えうせて、変わりに笑みを浮かべてシホはネギの頭を優しく撫でていた。
その姿を見てアスナ達はシホにどこか神聖な
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