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吸血鬼になったエミヤ
027話 日常編 弟子入りテストと覚悟
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ね…?」
「いや、私が夕方に試したのを見ているアルね? だから分かるネ。正直言って短期決戦のカウンター作戦も…無理ネ」
「そんな…」
「この試合は互いのレベルが違いすぎます。シホさんに一撃など…私ですらいまだ無理なのですから…ですから合格判定は一撃だけではないのかもしれません」

刹那の言葉にこのかは首を傾げて、

「なにか別の合格方法があるってこと? せっちゃん?」
「はい、お嬢様。そもこの短期間で習った中国拳法では付け焼刃にも程がありシホさんレベルの相手では絶対と言えるほどに一撃など無理でしょう。
古、お前はシホさんの嗜んでいる武術はなにか聞いたんだろう?」
「うむ。シホは中国拳法、柔術、合気道、空手、プロレス、キックボクシング、ムエタイ、神鳴流武術…これらを総合で組み合わせて使うといった話を聞いたネ」
「ちょっ…何その数? 出鱈目にもほどがあるでしょ…」
「ただの魔法使いってー訳じゃねぇってことか…」
「確かに…。ですがそれがシホさんの強さを表現しているのです。ですから私も敵わないでしょう…」
「はー…シホってすごいんやね?」
「はい。さらにこれに加え武器も入れますと剣術、槍術、弓術…それに魔法に魔術、吸血鬼の力。
極めつけは京都で見せた『錬鉄魔法』という固有技法…仲間内なら頼もしいですが敵だと思うとゾッとします」
「シホの姉さんはオールラウンダーだな」

カモの言葉に一同は納得するしかないだろう。頷いていた。
そこにエヴァの言葉が響く。

「では始めるがいい!」

その言葉に即座にネギは魔法詠唱を唱えた。

「契約執行90秒間 ネギ・スプリングフィールド!」

ネギは体に魔力供給をしてシホに飛び掛っていった。
ただシホはそれを迎え撃つ形を取っていた。
そしてネギの拳がシホに襲い掛かるがシホはそれらをすべて捌いている。
中国拳法特有の変則的に変わる動きに対してシホは一歩もその場から動かずにネギを受け止めているのだ。

(そんな…これだけやっているのに!)

ネギは焦りを感じ前に出すぎてしまった。
すぐさまシホは足を取りネギを転ばせた。
だがすぐに復帰してその場から離脱をはかるが、しかしシホの追撃の手はない。
ただ不動。
それにネギは怪訝な表情を浮かべているがそこにエヴァから声が響く。

「おいぼーや。やる気があるのか?」
「そんな!? 僕は全力でやっています!」
「そうは見えないな…今宵、何のために一般人を連れてこなかったのか理解できない貴様でもないだろう?」
「それは、魔法も使ってもいいということですか?」
「そう言っているだろう。まったく興ざめだ…この話はなかったことにしても構わんのだろう?ん?」
「エヴァンジェリンも悪ですねー」
「ケケケ」

タマモ
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