016話 修学旅行への準備
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私とタマモ、刹那は三人とも旅行ではそれぞれ木乃香とは別の班に分かれちゃうけどどうしようか」
『あ』
そこで全員があっ、という表情をする。
判別行動のとき他の班員の行動を妨げるわけにもいかないから地味に見えて実はかなりの問題だった。
ネギが木乃香の班に防衛につくかもしれないがいささか不安だ。
四名は話し合った結果、式神を使うことになった。
刹那はまず「オン」と唱えると小人サイズの分身「ちびせつな」を作り出す。
これで刹那は木乃香の警護に当たるという。
次にタマモはなじみになった四匹の管狐を呼び出して、呪文を唱えると四匹のうち琳と雅がシホとタマモに変化した。
「母様、シホ様の姿になりましたが大丈夫でしょうか?」
「母上の姿ですか。この雅、いざという時には頑張らせていただきます」
「いざという時はお願いしますね。特に琳は普段からシホ様の警備も任せているんだからシホ様も守るんですよ」
「お任せください、母様」
そういって二匹はまた狐の姿に戻った。
ところが焔と刃がそこで駄々をこねた。
「ねぇねぇお母さん、私達は?」
「お母さん、ねぇねぇ…」
「あー、はいはい。後で役割を考えてあげるから今はおとなしくしていてねー?」
「「はーい…」」
二匹は落ち込みながらも返事を返すのであった。
少し疲れたがこれでタマモ及びシホの身代わりはできた。
最後にシホはどうするかというと、ここでシホの神鳴流時代の能力が発揮された。
剣でできた鳥形の使い魔を作り出して、そこに人型のお札を貼り仮初めの意識を封入させ実体化させると、ちびせつなと同じような「ちびしほ」が姿を現す。
しかもその気になれば人型サイズまで大きくなって戦うこともできるので実に勝手がいい。
実はナギ達と一緒だったときにこれを重宝していた。
…一通り術を確かめ合い十分に対応できると判断されたのでこれでいこうということになった。
最後にシホはあることを尋ねた。
「そういえば、私のことは外にはどういった風に伝わっているんですか?」
「そのことか。安心しなさい。吸血鬼ということは伝わっていないし、名前や顔写真の方も他人の空似ということで済ませておるからの。関係者にそれを尋ねられた時はヒヤヒヤものじゃったが、年月がかなり経っておるから歳を取らないということがわからない以上、ごまかし様はいくらでも存在するしの」
「はい。それを聞いて安心しました」
「じゃが、もしあの組織の生き残りの人間が現れたらすぐに知らせるんじゃよ?」
「はい。善処します…」
シホは学園長のやさしい声と言葉に感謝した。
それから解散となりその帰り、
「でも刹那って木乃香の昔からの親友なんでしょ? なにか理由があるの?」
「そうです。お友達とは仲良くするべきですよ」
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