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吸血鬼になったエミヤ
015話 新学期、吸血鬼異変《終》 落ち込む心
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除去の執行にあてられています。
それでお話は戻りますが、学園長に高畑先生…どうしてこの事を黙っていたのですか?」
「「………」」

二人は沈黙していたが全員の視線にやっと重い腰をあげたのか、

「儂もタカミチ君も…これだけは話しとうなかった。シホ殿は吸血鬼にした後、馬鹿な魔法使い連中はある一体の上級の悪魔と契約の証としてシホ殿を供物代わりとしおった。
それで協力する代わりに毎日その上級悪魔はシホ殿を何度も、そう何度も貪り食っておった…何度儂やタカミチ、エヴァは吐きそうになったかわからん。あまりの怒りにわが身を忘れそうになったかわからん!
………シホ殿は二十年という月日の約半分以上を『視肉』…―――食べても食べてもなくならないという肉のことじゃが―――…として扱われておった!
そんな…非道な行いを皆の前で平然と話せると思うたか!!?」

学園長は机の上に乗せた両手をブルブルと震わせて必死に我慢している。その細い目からはとめどなく涙を流している。
タカミチももうすでに手で顔を見えないようにして背中を向けている。
あまりの衝撃な事実に話をしだした刀子でさえ呆然と立ち尽くすしか出来ないでいた。
二人は(いや、エヴァとタマモもいれれば四人)は必死にこの事実を隠していたのだ。
それがどれだけ自身に苦痛を与えるかも承知のうえで…。
学園長達の心理をさとり全員は再度シホをしっかりと見守ろうと心に決めた。

そのとき、刀子の携帯が無音の部屋に鳴り響き、一度刀子は部屋を出て行きしばらくして戻ってきて、

「学園長…例の別の人格の件ですが除去は無理だったそうですが代わりに完全に封印はできたそうです…」
「そうか…。それはよかったの」

喜んでいいのかよくないのか分からない報告だが、とりあえず今は喜んでおこうと一同は頷きそれで会議は終わりを告げた。




◆◇―――――――――◇◆




本日の学校が終了し、刹那、龍宮はすぐに医療施設に向かった。
途中でエヴァ達も合流し道中で事の次第を聞き、

「チッ…まさか悪魔が現れるとはな。またシホの傷が開いてしまったではないか。しかも二つ目の人格だと?…ふざけている」
「刀子さんの話ではその人格は完全に封印できたそうです」
「そうか…。くそ、いい話と悪い話は一緒にやってくるものだな」
「マスター…」

ネギにナギは生きているという事を知らされ舞い上がっていたが、これの件で一気に不機嫌になってしまった。
そして四人は施設に到着するとそこにはすでに刀子とタカミチもいてタマモとなにやら会話をしている。
こちらに気づいたのかタマモは元気の無い顔で、

「…シホ様は今眠りについています。ですからあまり声をあげないでくださいね?」

それに一同は無言で頷いた
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