014話 新学期、吸血鬼異変《四》 反転し覚醒する人格
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そこにはタマモがお札を数枚構えながら刃と焔の双子に指示を飛ばしている。
刃は体を硬質化させて体に雷を纏いながら高速回転をして敵陣を一直線に切り裂いていく。
焔はその口からいくつも体以上の炎の塊を吐き出し、ときにはブレスとして次々と敵を焼き払っていく。
『『お母さんのために頑張る!』』
「張り切って体力切らさないようにね?」
『『はーい!』』
愛衣達はその光景を見てさすがシホの使い魔達だと感心していた。
だけどそれに負けじと、
「メイプル・ネイプル・アラモード! ものみな焼き尽くす浄化の炎破壊の主にして再生の徴よ我が手に宿りて敵を喰らえ『紅き焔』!!」
「いきなさい、影達よ!! 『魔法の射手・連弾・氷の20矢』!!」
愛衣は紅蓮の塊を手から放ち、高音も影達に命じて一体に一体対応させ自身は無詠唱で氷属性の射手を放ち応戦していく。
そして時間は過ぎていきもうそろそろ時間だという時に“そいつ”は現れた。
「お、お姉さま!」
「愛衣、下がりなさい! 私達では対処は難しい!」
「ここは刀子さんと私にお任せを!」
「いきます!」
そこには一体の悪魔が立っていた。
なぜ今まで魔物や妖怪の類ばかりだったと言うのに急に一体だけ姿を現したのか詮索は抜きにして刹那達二人はかかっていき、高音達二人も他の敵の相手をしながらも援護をしている。
ただ一人を除いて…。
「アヤメさん! 何を呆けているのですか! 早く援護を!」
「あ…あ…ダメです。いけません…気を静めてください…!」
タマモは周囲の声が聞こえていないのか頭を抑えながら必死に誰かに対して説得をしている。
その様子に四人は怪訝な表情をしたがそれはすぐに訪れた。
「「「「!!?」」」」
強力で、しかもとても禍々しい魔力が突如背後から発せられた。
それで四人とも背後を振り向いたが、すでにその魔力は一瞬にしてまたさらに背後から感じまるで地震でも起きたかのような轟音が響く。
「おやめください! シホ様ッ!!」
タマモの悲痛な叫びと共に四人はまた悪魔の方を見てあまりの光景に恐怖を感じた。
………一方、ネギと現在交戦中のエヴァはその魔力を感じ取り、
「なんだ…? なにが起きている?」
「マスター、魔力係数がとてつもないほどに感じ取っています」
「本当に何が起こっている…!?」
エヴァもこうした事態を想定していなかったので焦りを見せるが今はネギ達と勝負を楽しんでいる真最中。
よって他のものが対処するだろうと見送った。
肝心のネギ達は勝負に必死で異常な魔力に気づかなかった。
◆◇―――――――――◇◆
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