014話 新学期、吸血鬼異変《四》 反転し覚醒する人格
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られませんよ、愛衣? すでに刀子先生と刹那さんが突撃していっています。アヤメさんも二人の後ろについていくようにして敵を倒していっています」
「わわっ! 出遅れてしまいましたか」
「そうね。ですがすぐに挽回しましょう!」
「はい、お姉さま!」
そうして二人も後を追って魔法による攻撃を開始した。
◆◇―――――――――◇◆
龍宮はシホの近くでライフルによる狙撃を行っていたが時折目を外してシホの方を見やる。
そこにはまるで精密機械かのように目を鋭くし体勢を一切崩さず無心に矢を撃っては再度その手に瞬時に新しい矢が握られていて数秒もせずに次の射手を放つシホの姿を見て、
(魔弾の射手という二つ名を持っているのだから相当の腕前だと思っていたが…あれは私の想像を遥かに超えている)
まさしく魔弾だ。そう龍宮は目と肌で感じ取った。
もちろん報酬に見合うくらいに撃ち込んでいるだろうが、銃と違い精密さにかける弓矢というハンデを持ってしてもすでに龍宮の三倍の速度で矢は放たれる。
そしてそれは寸分狙い違わず敵の急所に刺さり、いやこの言い方は変だ。急所を穴が開くほどに貫いている。
龍宮はその人外じみた、まさしく神業に本当の意味で実力の差を思い知った。
(なるほど…。確かに魔弾の射手という称号を名乗るに相応しいな。これで剣と魔法の腕も相当あるのだからあまり敵に回したくないな)
打算抜きに正直な気持ちで龍宮はそう思った。
ふと学園内から膨大な魔力反応が溢れてきて何事かと思ったがそこにシホから通信が入り、
『どうやらエヴァが行動を開始したらしい。でも私達は仕事に専念しよう。あっちは勝手に解決するだろうから』
『違いないな』
余裕の発言に龍宮は冷静ながらも静かに心を燃やしてその腕に追いつくことを決心した。
だが、それから少し時間が経ち学園結界の復旧もあと少しだという時間帯に予期せぬ事態が訪れる。
それによって龍宮は己の目を疑う光景を目にすることになる。
◆◇―――――――――◇◆
前線では今まさに激戦が繰り広げられていた。
「はぁっ!」
ズバッ!
刹那は夕凪を縦に振り下ろし妖怪を一体還す。
そこに「刹那、そちらに数体向かいましたよ!」という刀子の声が聞こえてきて、刹那はその敵の懐に飛び込んで、
「神鳴流奥義! 百烈桜華斬!!」
刹那を中心にして円を描くように無数の斬撃が放たれその周辺一帯の敵を一気に切り裂く。
しかし打ち漏らしがいたらしく技後の硬直の刹那に襲いかかろうとしたが、
「そんな隙、いただいちゃいます♪」
―――呪相・炎天。
「■■■―――!?」
「よく燃えますねー」
突如刹那の周りの敵がすべて炎上し灰と化す。
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