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吸血鬼になったエミヤ
014話 新学期、吸血鬼異変《四》 反転し覚醒する人格
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衣も赤き翼でのシホの活躍を知っていて隠れファンだったりする。
それで憧れの人物が目の前にいればおのずと結果は見えている。

「す、すみません…!」
「別に構わないよ? 今夜は大仕事になるから緊張はしちゃうもんね」

だが、やはりシホは自分事には鈍いので勘違いしているのはお約束。
和やかに時が過ぎていき二人は吸血鬼という先入観はシホと話をいくらかしていくうちに取り払われていった。
そこに遅れて刀子がやってきてようやく今夜のメンバーの全員が揃った。

前衛の葛葉刀子、桜咲刹那。
中衛の高音・D・グッドマン、佐倉愛衣、玉藻アヤメ。
後衛の龍宮真名、シホ・E・シュバインオーグ。

メンバーとしては豪華なものだろう。
歴戦の経験を持つ刀子が前衛で、中衛に呪術師のタマモ、後衛には魔眼持ちの龍宮に吸血鬼のシホ。
あまり本格的な戦いというものを経験していない刹那、高音、愛衣にとって心強いことこの上ない。

「それじゃ私と龍宮は高台に移動するからなにかあったらすぐに報告するわ。龍宮もそれでいいね?」
「問題ない。この目で『魔弾の射手』の実力が見られるのだから見物料を払いたいところだ」
「そんなに特殊なものじゃないけどなぁ…。まぁいい。それじゃタマモ、しっかりと守りを努めるのよ?」
「わかりましたぁ! タマモ、頑張っちゃいます!」

本来の姿で元気に気合を入れている姿を見て変に気を張るのもどうかと思ったのか全員緊張がほぐれたらしい。
そして時間は過ぎていきそれぞれが持ち場についたのを見計らい、

『―――こちらは放送部です。これより学園内は停電となりますので学園生徒の皆さんは極力外出を控えるようにs……ザザァ……』

…途中で途切れてしまった放送。
それによって学園結界は完全にその機能を一時停止する。
それを知ってか次々と異形の数々が学園を目指して進軍してくる。

「やはり来ましたか。ほかの区域にもわらわらと出現しているようですからなるべく消耗戦は控えて事態に挑むように」
「わかりましたわ」
「は、はい!」
「承知!」
「はーい!」

今回のリーダーである刀子の言葉に全員は返事を返す。若干一名軽いノリだがそれも実力あるものの声なので黙認された。
そして全員が動き出そうとした矢先に、

『こちらシホ・E・シュバインオーグ。まずは前線を切り崩します』
『龍宮だ。エミヤと二人で遊撃するので隙をついて退治してくれ』

二人の言葉と同時にまるで流星のように矢と銃弾が降り注ぎ瞬く間に我先にと進軍してきた魔物達は還されていった。

「す、すごい! 龍宮先輩は銃でスコープも使っていて正確なのはわかりますが、シホさんの放つ矢はそれを凌駕するような圧倒的な精密さです!」
「確かに…。ですが驚いてばかりもい
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