014話 新学期、吸血鬼異変《四》 反転し覚醒する人格
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刀子が少しうっとりしているのを悪いと思ったシホはすぐに、
「いえ、今夜は大掛かりな停電で結界もすべて消えると聞いたので私は後方から龍宮と一緒に支援します」
「ほう…では今晩は『魔弾の射手』のお手並み拝見というわけだな?」
「うん。今日はそうそう油断できないくらい状況が続くと私は見たので私と龍宮で敵が現れたらすぐ報告するというのはどうだろう?」
「私は構わない。私以上の魔眼の持ち主の提案だ。悪い状況にはならないだろう」
「では私と刹那が前衛ですね」
「では私はお二人の後ろで打ち漏らしを滅します」
タマモがそう言うと私を除いた三名は驚いた顔をしている。
なぜかというと、
「アヤメさん、あなたは接近戦の心得はあったのですか…?」
「ムッカ! 私はこれでもシホ様のサーヴァントですよ!? それに…」
ボンッ!という音とともに狐耳と尻尾を具現化させ瞬時に刹那の背後に回りこんで呪相・炎天の印が刻まれた呪符を首に突きつけていた。
その目は先ほどとは違い鋭くなっていて敵意があるのならすぐさま刹那は炎に焼かれていただろう。
ついでというか残りの二人の周りには琳達四匹が取り囲んでいて威嚇している。
「い、いつの間に…」
「油断大敵ですよ♪」
タマモは妖艶な笑みを浮かべながら刹那の首を一回撫でた後開放した。それで刹那は冷や汗を掻いていた。
シホは疲れた表情で、
「この通り、タマモは優れた呪術師で以前に詠春に聞いた話だけどタマモに勝てる現代の呪術師はそうそういないらしいよ。
それに式使いに加えて自己流の体術も一流にまで昇華したから遅れはとらないわ」
「えへへ〜、シホ様に褒められちゃいました♪」
「こうも簡単に後ろを取られるとは…まだまだ修行不足ですね。これからも精進します」
道場で色々と計画を立てて一同は今夜に控えて一度部屋に戻った。
◆◇―――――――――◇◆
…しばし時間が過ぎて学園結界の境界線である森付近でシホ達は再度合流をしていた。
刹那達はもちろんシホも久々に着る『赤原礼装』のフル装備で全員が合流するのを待っていた。
そこでふとシホはそこにまだ見知らない生徒がいる事に気づく。
その生徒はシホの視線に気づいたのか近寄ってきて、
「あなたが噂の“剣製の魔法使い”と謳われるシホ・E・シュバインオーグさんですね?」
「ええ、まぁ。ところであなたは…?」
「ああ、申し送れました。私は高音・D・グッドマン。高等部の二年です。そして…」
「わ、私は、その…中等部の二年の佐倉愛衣といいます。よろしくお願いしましゅっ!?」
愛衣は緊張のあまり舌を噛んでしまっていて高音に落ち着くように背中を揺すられていた。
そんな光景にシホは疑問の表情をしていたが、実は愛
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