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クロスウォーズアドベンチャー
第65話:戦いの終わり
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「ああ…許されるとは思っていない。だが、俺は…」

「確かにあなたは罪を犯しました。ですが罪を償おうというのは間違っていないと思います。大切なのは償おうという気持ちなんですから」

昔の自分なら、多分及川を許せないと思ったかもしれない。

でもこの冒険のおかげで自分は成長出来た。

「ありがとう。流石、浩樹の息子だ。」

「はい。あの…」

「ん?」

「前にお祖父様が言っていたように僕と友達になってくれませんか?お父さんのお話を聞かせて下さい。お父さんが子供の頃どんな人だったのか…」

「ああ、勿論。」

及川は自然に笑みを浮かべ、もう絶望に染まってはいなかった。

夢を、希望を持つ者の表情をしている。

「みんな、みんなの想いを力に変えてデジタルワールドに解き放つんだ。最後の最後まで諦めるな、絶対に何とかするんだ」

全員が目を閉じて想いを強める。

全員の体から輝く光の粒がデジタルワールドに流れていき、黒く染まった世界が再び色を取り戻していく。

「(…最後まで諦めたりしないことで可能性が生まれる。太一、大輔達を見ていると思い出すよ。君とファイル島とフォルダ大陸を冒険し、ネオ達やデーモンと戦った時のことを)」

タグを巡って完全体や究極体とそのテイマー達。

最強最悪の存在とパートナーと共に戦った日々がアルフォースブイドラモンの脳裏を過ぎる。

「(世界が違っても根本的な物は変わらない。大輔も、こっちの大輔も…最後の最後まで諦めない強い心を持っていた。)」

「(私達の冒険の時もそうだったわね、私達が諦めかけた時。“最後まで諦めないで何とかしよう”…その絶対に変わらない姿勢のおかげで私達は戦ってこれた)」

マグナモンと並行世界のテイルモンも懐かしそうに胸中で呟いた。

全員の想いのエネルギーはデジタルワールドを完全に元通りにする。

「ふう…」

全員が溜め息を吐いて、デジタルワールドを見つめた。

世界を救えたことに胸が一杯になりそうだ。

「あ、そうだ。暗黒の種は取り除かなくていいの?」

「この世界の力を使えば暗黒の種の除去は簡単ですよ京さん」

心配そうに暗黒の種を植え付けられた子供達を見遣りながら賢に尋ねる京だが、賢が微笑みながら言う。

「まあ、子供達が希望を取り戻したことで暗黒の種は発芽しないでしょうけど万が一と言うこともありますから」

「そうね、賢君の種も取らないとね。私の想いで取り除いてあげるわ!!」

「京、賢に重い物を押し付けんな」

「黙んなさい!!」

大輔と京の遣り取りに全員が笑った。

「なあ、大輔。一時的にとは言え世界が繋がったんだ。一緒にまた冒険しないか!?」

「いいですねタイキ
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