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吸血鬼になったエミヤ
010話 シホ復活、そして師弟関係
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、まだまだ私も未熟ですね…。あぁ、どうして先輩がこのような目にあってしまったのか…。
あんな事がなければきっと…そう、きっと立派な神鳴流剣士として今も名を馳せていた事でしょうに…。先輩、お労しいです!」

普段冷静な刀子さんがあぁも感情をあらわにするなんて…。それほど刀子さんにとってエミヤさんは憧れだったのでしょう。
エミヤさんもそんな刀子さんを無言で背中を揺すりながら慰めている。

…少しして刀子さんは涙をぬぐい、

「…恥ずかしいところを見せましたね、刹那」
「い、いえ…そんなことはありません」
「そう…。それとだけど私はたまにしかあなたの相手をできないでいるけど、先輩が暇があったら稽古に付き合ってくれるそうですよ」
「!!」

それは…! なんて嬉しいことでしょうか。

「よかったわね、一緒のクラスですからいつでも相談に乗れるしね」
「あはは…でも私も二十年のブランクがあるからどこまで教えて上げられるかわからないけどね」
「そんなことありません! 長と同等の力を身につけているエミヤさんに師事できるのですから感謝はすれど文句なんていえようがありません!」

ですよね?と刀子さんに目線を向けると快く頷いてくれた。

「うん。それじゃどこまで教えてあげられるか分からないけどこれからよろしくね、桜咲さん」
「刹那でかまいません。これからお願いします師匠」
「し、師匠!? できれば名前で呼んでほしいんだけど…」
「で、ではシホさんでよろしいでしょうか…?」
「うん、それなら大丈夫。それじゃ刀子さんに刹那。これからちょっと用があるからまた今度!」
「はい」

そうしてシホさんは去っていった。
その後、刀子さんに内密にと事前に言われた後、シホさんがどうして吸血鬼になったのかを大まかに説明してもらった時には思わず涙を流してしまった。
あんな明るい顔の裏側ではとても深い傷を抱えているなんて…。
しかもそれを表に出さずに逆にこちらを心配してくれる気遣い。
なんて心優しいお方なんだ。今まで斜めな構えで見ていた自分を殴ってやりたいくらい後悔した。
これから尊敬する一人の先輩として、そしてまだ打ち解けないがいずれお嬢様とも…。


こうしてこの日、シホと刹那の師弟関係が構築されたのであった。
………一方、肝心の子供先生はパートナー騒ぎで騒がしい生徒達に追いかけられる羽目に合っていたがここは割愛する。



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