010話 シホ復活、そして師弟関係
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うか?)
刹那が悩んでいる時に入り口のほうから声が聞こえてきた。
あきらかに女性の声でしかも若い。しかし先輩というからには失礼だが刀子さんより上なのだからかなりのお年のはず。そんな人物がいったい誰なのか…?
自然に刹那はそちらへ振り向くと、そこにはつい最近では見慣れた朱銀髪で、同じクラスで、吸血鬼のシホ・E・シュバインオーグが立っていた。
「あ、桜咲さん」
「エミヤ、さん…どうしてここに…?」
私は思わず夕凪を取り出そうとするが、
「刹那! あなた、先輩に対してその態度はいただけないわよ!」
「へっ…? 先輩? ですが彼女は吸血鬼で…」
「はぁ…やはり知らなかったようですね。エミヤさんは長と同時に神鳴流を卒業し魔法世界へと旅立っていった剣士の一人なのですよ」
「……………え? ええええええーーーっ!!? そうだったのですか!!?」
「あ、はぁ、まぁ…一応詠春と一緒に赤き翼に所属していたけどね」
エミヤさんは「アハハ…」と乾いた笑みを浮かべている。
しかし今、長のことを呼び捨てで“詠春”と呼んでいた事から真実のようだ。
だとすると今まで事情もろくに調べもせずにただただ吸血鬼というだけで警戒していたわけで、目の前のエミヤさんは英雄の一人、長の仲間だったというわけで。
色々混乱する頭で私はいつの間にかエミヤさんに「すみませんでした!」と言って土下座をしていた。
「や。別に気にしていないから頭を上げてくれないかな、桜咲さん」
「いいえ! 私としたことがろくに情報を調べもせず一方的に警戒してしまいとても申し訳ございませんでした!」
「あー、どうしようか刀子さん?」
「刹那の気が済むまでやらせてやればいいのではないでしょうか?」
「でもねぇ…」
「そうですね。刹那、本日は先輩とし合いをするのであなたにそれを見せるために先輩をお呼びしたのですよ」
「そ、そうだったのですか」
「だからあなたはおとなしく見ていなさい」
「はい!」
それで私は正座をしてお二人の試合を見逃さないように集中した。
だけどそこでエミヤさんが話しかけてきた。
な、なにかまた疎そうな事をしてしまったのでしょうか?
「桜咲さん。あなたの持っている刀はもしかして詠春が愛用していた夕凪だったりする?」
「えっ? あ、はい…」
それでおずおずとエミヤさんに刀を渡すと、
「懐かしいなぁ…ずいぶん手入れもされているからきっと大事に使っているんだろうね。さすが詠春が愛用の刀を託すほどだ」
「い、いえ! そんな滅相もないです!」
「かしこまらなくていいよ。詠春は認めていない相手に愛用の刀なんて無駄に渡すわけがないんだから自信を持って」
「そうですよ、刹那。自信を持ちなさい」
お二人にここまで言われて恥ずかし
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